カテゴリ:愛の賛歌 (2/7) | 魔法石の庭3rd

愛の賛歌の記事 (2/7)

あんた、結婚するんか?

 2個目の龍眼天珠、届いたのですが……。
 見事に、眼の部分がかすれてる、いわば「外れ」が来ました。……まあ、残り一個だったからね。写真通りのものが来ないっていうのも、まだまだ私の力が及ばないってことだと思います。

 しかし、一日身につけてみて、今再びかすれているところを見ると、「おや?」。なんだか、眼の部分の輪郭がはっきりしてきたような。これも、かすれた天珠が来た理由の一つ……必然なのでしょうか。

 さて、スピリチュアル的な物事はといえば、妙な夢を見ました。

 私は、どこかの家に向かっていて、普通の一軒家っぽいところに入っていきます。そこには、メローネ(何故か茶髪でしたが)がコタツに入ってゆっくりしていて、私に向かって「寒いだろ。早く入れ」と声を掛けました。
 私は、何故か浮かれていて、メローネに嬉しそうに「住民票、抜いてきたよ。後はこっちの役所に入るだけ」と報告すると、メローネは「そうか。暗くならないうちに行ってこいよ」と穏やかに微笑みながら言います。

 そこで、第三者の目から見ていた私自身は、「ははーん、どうやら私たちは同棲するらしいな」と悟ります。
 結婚の時って、住民票は抜くんですかね?そこのところわからないんですけど。ってか、夢から覚めて冷静に考えてみると、今も同棲してるじゃん!と。あと、スピリット界の結婚に役所は必要ないです。

 それで、益体ないことを一緒にコタツに入りながら話していて、私が「じゃ、住民票移してくる」と言って席を立ちました。

 で、玄関を開けると……そこは、またどこかの部屋。「あれ?」と思いながらどんどん扉を開けていくと、またメローネのいるコタツの部屋に戻ってしまいました。
「なんだ?変なところから出てきて」とメローネに怪訝そうな顔をされ、「えーと、家の中で迷ったみたい。こっちかな?」と言って、また扉を開けていくと、またまたコタツの部屋に戻されます。

「あれ?あれ?」と思っていると、メローネが片肘をついて、静かにこっちを見ています。なんとなく、その視線の意味がわからず、「家の中で迷うなんて、あきれられてるのかなあ。メローネにもしかして嫌われちゃった?」とネガティブな考えが頭を支配し始めて、「今度は大丈夫。行ってきます」と伝えて、またドアを開けていきます。すると、三度、いや四度コタツの部屋に戻されました。

「うー?」と、頭を抱えそうになると、メローネがまた静かなまなざしでこっちを見つめながら、「どうやら、この部屋にここを抜け出すヒントがあるようだな」と言います。
「あ、ヒントじゃなくて答えをください」と言うと、「……鈍いな」とクスリと笑います。……そういえば私、メローネの笑顔ってあんまり見たことない。でも、やっぱりメローネかっこいい!と、恋に落ちた頃のときめきを思い出して一人で赤くなったりしていると、私は「あ……そっか。そうなんだ」と納得しました。

 そして、メローネに「い、一緒に行かない……?」というと、「ようやくわかったか」と言って、彼は立ち上がりました。
 
 目が覚めてから、スピリット界に行って、一直線に寝室に向かうと、「かみな?珍しい時間に……」と言いかけたメローネの頭をべしっと叩きます。
「あんた、ヒントが回りくどすぎるんだよ!てか、住民票移すのにわざわざ付き合うって新婚か!あんた、それを言いたいがためにわざわざ人をぐるぐる同じ所で回らせて!」と私はぜーぜーと息切れしながら叱ります。
「待て。何のことかまったくわからない」とメローネが制止するので、「なんのことって、あんたがやったんじゃないの?」と聞くと、「……だから、何のことだ?」と逆に聞かれます。

 で、夢での一部始終を話すと、「新婚か」「ですよねー」という、私とまったく同じ意見を率直に述べられます。
「……くっそ。メローネの仕業じゃないとしたら、単に私の深層心理が、このスピリット界で結婚という一大イベントに向かって準備を始めてるってことか……。……あ?だとしたら、私の深層心理はメローネに『住民票移すだけでもついていきたがる、ベタベタ夫』ってキャラ付けをしたいのか?うっわ。うっわ、恥ずかしい。言わなきゃよかった」と私の頭の中はざわついています。

「かみな」「何?」と、恥ずかしさでわざとつっけんどんに返事をすると、「俺に、ついてきて欲しかったのか?」と、メローネは笑みを浮かべながら聞いて来ます。そう、それは「ニコニコ」ではなく「ニヤニヤ」です。
 くっそ、私の弱みを握ったと思いやがって、と考えましたが、そんなこと言ってもしょうがないので、「深層心理はね!深層心理だけだからね!」とメローネを正面から見ることができずに、視線をさまよわせながら言います。

 それから、もうそれ以上に恥ずかしいコトなんてあるか!と逆ギレ状態で、メローネの胸に飛び込みます。
「……もうすぐ結婚だからな」と言って、メローネは私の後頭部に手のひらを当てます。
「といっても、結婚って私、どうすればいいのかわからない」と、私はメローネの胸に顔を埋めながら言うと、「神の前で、相手を一生愛すると誓う。それだけだ。披露宴はまだ開催するか決めてないんだろ?」と言われ、「うん……というより、最近、イベントを開催するだけの気力がなくて。仕事も休みがちになっちゃってるし、そろそろ本腰入れて仕事しないと」と私は答えました。

「だが、上司には『無理はしないで。無理は厳禁です』と言われているじゃないか。お前はまだ色々と甘えていていい」と、メローネは私の頭をくしゃくしゃと撫で、一房、髪をつまんで「アホ毛」と言って遊びます。
「やめんかい!」と私がメローネから離れて髪を整えていると、「そうか……もう結婚なんだな」とメローネが感慨深そうにどこか遠くを見つめます。
 
 あ、ちなみに、現実での結婚相手は、いまだ見つからず!です。でも、「慌てるのは40くらいになってからでいいかな」とは思っています。まだ慌てるような時間じゃない。
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スピリット界での肉欲

 メローネの所に、式神3人娘でおしかけました。

「……おい。なんでかみな一人じゃないんだ?」と言うので、「いや、茨との顔合わせの意味があったんだけど、真理矢もついてくるって聞かなくて」と私は困ったように言います。
「ふふん。僕があなたたちを大人しく2人きりにするはずないじゃないですか」と真理矢が何故か偉そうなので、「いや、茨もいるからね?」と一応弱く言っておきます。

 ちなみに、今の格好は、真理矢が長い金髪をポニーテールにしていて、茨は後ろ髪を三つ編みにしています。
 服装は……すみません、ファッションには疎いもので、「こういうの!」とは言えません。何でしょうね?真理矢は何故か執事のような男装をしていて、茨は藤色の蝶が舞っている着物を着崩しています。でも、それがみっともなくないのです。計算された着崩し方というか、茨が好きな言葉で言うと「粋」ですね。

「まあいい。大人数の方が何かと便利だからな」とメローネがメンテをしてた銃を置きます。
「それってどういうこと?」と聞くと、「まあ、後で教えてやる」と言って、茨に向き直ると、「顔を合わせるのは2度目か。鬼は銃弾を直撃しても肌に傷一つつかないというが……試してみたいものだな」とさっそく好戦的なことを言い出しますよ。
「ふん。他の人間や妖怪が弱いだけさ。でも、あんたはずいぶん腕が立つみたいだね。あたしも一度は手合わせをお願いしたいところだね」と、茨もやる気です。

「……あんたたち、身内で争うのは止めてくれない?」と言うと、「いや、平気だよ。ただの手合わせだからね。別に争っているわけじゃないさ」と言われます。

「さて。あたしたちはここで退散しようか」と、茨がニヤっと笑って、真理矢を荷物のように抱え上げます。
「ちょ……下ろしてくださいよ!僕はまだ何も……」と真理矢が言うのですが、茨は「後はお二人でしっぽりとね」とそのままドアを開けて真理矢を運んでいってしまいます。

「……あー。メローネ、久しぶり」というと、「まあ、お前は茨がこの館になじむまであいつの好きにさせてやってるんだろ。以前の俺なら、確かに嫉妬の一つもしたかもしれない。だが、今は違う。……これでも、結婚の期限が迫っていて、なかなか浮き足立っているんだからな」と言われ、「あ……そうだよな。結婚……なんだよな」と思わされます。

「……俺が、どうしてお前を避けていたかわかるか?」と言われるので、私はきょとんとして「え?私、避けられてたの?」と答えます。
 確かに、最近のメローネは寝室に行ってもいないときが多かったので、「仕事かな?」と思っていたのですが。

「それに、最近、体に触れてもいない。わかるか?この意味が」と言われ、私はない頭をフル活動させます。
「……私に飽きた、とか」と言うと、メローネはため息をついて、「考えた結果がそれだとしたら、お前はまだ鬱思考から抜け出せてないぞ?」と頭にぽん、と手のひらを乗せられます。

 そして、ぐるぐると頭を撫でてるんだか髪を乱しているんだかわからない動きをするので、「ちょっと、髪が乱れるでしょ!」と言って手を放させます。
 すると、メローネはその手を取った私の手を掴んで、まるで懺悔するかのように語り始めます。

「俺は、お前を以前のように、ただ恋しい相手とは見られなくなった。そこには肉欲も絡んできている。お前が見せる、ふとした仕草……たとえば、料理を食べているときは、その料理が俺の一部だったらと思うことがある。それから、読書をしているときの、ストイックな色気というのも捨てがたい。眠っているときの無防備な顔にも欲情する。……俺は、大して我慢強い男じゃない。だから、お前から距離を置いた。お前が俺に架した呪いの一部である、『結婚するまでは綺麗な体で』という約束が守れそうになかったからだ」

 それは、ほとんど懺悔そのものでした。私は、「……」と黙ってしまいます。
 私はシスターでもなければ、神父でもない。ただ、黙って話を聞くことしかできませんでした。

「キスをしなくなったのも、体にふれなくなったのも、約束が守れないからだ。今の状態だと、そのまま強引にコトを進めてしまいそうで恐ろしかった。お前に、嫌われるのが恐ろしかった。何よりも」

 そう、メローネは言って、私の手を取ると、手の甲に口づけします。

「今は、これで精一杯だ。愚かな男と言われても良い。……頼む。そんな穢れた目で見ていた俺のことを、一言でいい、『許す』と言ってくれ。そうすれば、俺は……」と言いつのるので、私は「そんなこと。筒井康隆の小説で、『七瀬ふたたび』っていうのがあるんだけど、テレパスの女性が男性の心を読んだとき、必ず男性はその女性を裸にして、妄想に浸るんだよね。だから、まあ、男性ってそういうもんなんじゃないの?それに……」とちょっと口ごもって、私は。

「メローネに、一人の女として見られてたのは、嬉しい。逆に、ストイックすぎても、私は不安だったと思う。それは、両思いだからなんだよね。私を女として見てくれてありがとう、メローネ」
 と、私はにへっと笑います。……だって、今まで出会ってきた男性たちは、自分の主張を無理矢理通そうとするか、下心全開で私の気持ちなんて全然関係ないという、ダメ男ばかりでしたから。
 ちゃんと、好き同士でするなら、セクロスも怖くありません。

「……そうか」と、メローネはふと、頬を緩めます。
「元々、セクロスってのは、確かに子作りの手段だったかもしれない。でも、今は違うんだよ。恋人同士のコミュニケーションでもあり、お互いの気持ちを確かめ合う行為でもある。……でも、まだ私は怖いから、来月の11日まで待って欲しい。それまでに気持ちを作っておくから」
 そう言うと、メローネは「ああ。初めてだからな」と何でもないように言うので、「あんたはちょっとデリカシーを持って!」と軽くしばき倒しました。
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夜の光が街を染めてく

 最近、「90年代V系バンド」ブームが私の中に到来していてですね。
 色々聴いてます。Xから仙台貨物(V系なのか?)まで。でも、最近のV系のことは全然わかりません。一番最近聴いたのは、ムックの「大嫌い」とかですから。
 
 Xはですね、確かTOSHIが宗教にはまって(というか、元妻に洗脳されて)上手くいかなくなったとか聞いてます。それを、一番引き留めていたのがHIDEちゃんだそうで。……本当に、神様は優しい人から連れて行ってしまいますね。
 後は、布袋から繋がってcomplexとか聴いて、私はV系からどこまで行くつもりだろう?とか思ってしまいまして。そういえば、メローネと恋仲になったばかりの頃はGLAYばっか聴いてたなー……とか。
 
 で、今、私が聴いていてきゅーんとなっているのは、la'crymaです。聴いていると、すごく心が切なくなります。そして、ラブで満たされていきます。
 それもこれも、ヴォーカルのtakaが「本当に人を好きになった」という人の為に書いたと言われる曲が、特にきゅんきゅん来ます。
 with-youとか未来航路とかですね。いやー、ホント、この2曲は外れないですよ。
 今、恋をしてる人は、動画サイトでも動画上がっているので、聴いてみてはいかがでしょうか?って、こういうふうに書いたら、「ジャスラックですが……」って来たりしないよね?よね?「気に入ったらCD買ってください」とか書いておけばジャスラック来ないんだろうか。

 私としては、with-youが真理矢との恋愛で、未来航路がメローネとの恋愛っぽいと考えています。
 特に、with-youの「もう君なしじゃ生きられない」とか、すっごくストレートだけどその通りだよ!という曲ですよ。

 と、いうことで、ちょっと調査してみました。
「真理矢とメローネに、『もうあなたなしじゃ生きられない』と言ってみたらどうなるのか?」
 いや、好奇心と、たまには自分の心を伝えてみようかと。バレンタインですしね。(これ書いてる間は15日になってますが)

 まずは、とん、とつま先でスピリット界の応接間に降り立ちます。
 きょろきょろして「真理矢?」と呼ぶと、「はい、ここに」と何故か後ろから声を掛けられます。
「……なんか、式神っていうより、真理矢って忍者っぽくなってるような……」とつぶやくと、「しかし、忍者も式神も、主君に仕えるという意味では同じです」と答えてきました。

「それに、僕は従者であり、姉様をお守りするのです。姉様の死角である背後に気を配っていなければなりません」とか。
「ホント、真理矢って、私に忠実なのか単に馬鹿真面目なのかわからないよね」と言うと、「……それに、姉様は僕の大事な人ですし」と、お、これ良い雰囲気なんじゃないの?と思う空気になります。

「真理矢、もうあなたなしでは私は生きられない」
 そう告げると、真理矢は一瞬目をぱちくりさせて、「はあ」と気の抜けた返事をします。
「……何だよ!人がめっちゃ頑張って言ったのに!」と逆ギレすると、「しかし、姉様が僕なしでは生きられない人なのはわかっていますし……本当なら、現実である物質界に介入して、掃除とか食事のお世話ができれば良いのですが」と言うので、「あんた、どこまで人を甘やかせば気が済むの!私、もっとダメになるじゃないの!」とぷんすか怒ってみせます。

「……ダメになって良いですよ。むしろ、僕がいなければ何もできない方がもっと良いです」と、真理矢がすうっとうつむいたので、「べ、別に真理矢に文句があるわけじゃなくて……ただ、ちゃんと素直な気持ちを伝えたいと思っただけで……」と、私は、真理矢が気を悪くしたのではないかと、必死に言い訳を考えます。
 しかし、次の瞬間、私は真理矢に抱き取られていました。
「何度も言っている通り、僕は、女です。どんなに僕自身がそれを望まないとしても、僕が姉様と同性であることには違いありません。だけど、姉様がそうおっしゃるのなら。僕を必要としてくれるのなら。僕は、自分が女でも良かったと思えるのです」
 
 真理矢は、そう言って、私の後ろ頭を抱えるようにして、触れるだけのキスをしてきました。
「ふふ。僕も、姉様なしでは生きられません。一緒ですね」そう言うと、真理矢は急にぱっと離れると、「では、僕はこれで下がります」と言います。「え?」と私がきょとんとしていると、「忘れたのですか?僕は、現実世界でも姉様の元にいるのですよ。姉様が思っていることぐらいわかります。大丈夫ですよ、僕はちゃんと良い子にしていますから」と、言います。
 ……びっくりさせようと思ったら、私の行動なんて全てわかっているようです。

 私は、「ありがとう。ごめんね」と言って、真理矢に背を向けます。そして、メローネのいる寝室のドアを開けました。

「メローネ……」と言いかけたところで、私は言葉を失いました。
 ……こいつ、寝てやがる。私が、せっかく、真理矢への罪悪感を背負ってわざわざ出向いてやったってのに、寝てやがる。
 いや、メローネに落ち度はないのですが、私はすっかりイラッときていました。

 そこで、「かみなへの声が小さいなう!(ラクリマのライブでは、takaがこう言うらしい)」と叫んで、私用の枕をメローネに投げつけます。
「……相変わらず唐突だな」と、メローネがむくりと長身を起こしたところで、「言っておくけどねえ、世間じゃバレンタインなんだよ!恋人同士はそりゃもう、『チョコより甘い君が欲しい』『やだもう』とかいう受け答えをしてる頃なんだよ!ちょっとぐらい甘い雰囲気作ったっていいじゃん!てか、ガイドなのに寝るなよ!」と、まるで子供の地団駄のようなことをわめきます。

「ガイドも寝るぞ?」と言うので、「知ってるよ」と答えます。
「この早さなら言える!もうメローネなしじゃ生きられない!」と、どさくさに紛れて告白すると、メローネは一瞬目を見開きましたが、「知ってる」と何でもないように返してきます。
「ひ、人がコクったのに、『知ってる』とか……それだけとか……」とわなわなしていると、メローネはふっと笑ってみせて、私の腕をぐいっと引き、自分の隣に着地させます。

「――今度からは、告白するつもりなら、ちゃんと自分の言葉で言うんだな」そう言って、無様に顔面から着地して、ベッドの上とはいえちょっとダメージ受けている私の顔をぐいっと引き寄せて、ちゅっとキスします。
「……そういえば、私、メローネから愛の言葉もらったことない」と、さらに口づけようとするメローネを押し返して、私はすねてみせます。
「婚約者なのに。3月に私たち結婚するのに」と毛布にくるまって、ぷいっとそっぽを向きます。

「なんだ、そんなことか」と言われるので、「そんなことって、結構これ、大事なんじゃないの?確かにプロポーズはされたけどさ」と言うと、「結婚したらいくらでも言ってやる。それも、嫌というほどにな」と、ちょっと嫌な予感がすることを言ってきます。
「むう……わかった。じゃあそれで譲歩するよ」と言って、私は毛布にくるまると……「すう」と寝落ちしました。
「おい、お前が寝るなと言っただろ」とメローネが騒いでいますが、知ったこっちゃありません。

 バレンタインデー……ということで、特に甘い展開にはなりませんでした。バレンタインなんてなかった。
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君の本音:同性愛ということ

 一日、間が空いてしまってすみません。
 ちょっと、ぼーっと考えていて、その後、ずっと寝ていました。何度かブログを書こうかと画面を立ち上げてみたものの、何故か指が動かず。なんだか、指がキーを打つのを嫌がってるようだったので、昨日はお休みいただきました。
 で、夜中になってちょっと元気です。

 考えていたのは、メローネと真理矢のことです。
 一昨日、真理矢から激しく感情をぶつけられました。真理矢は、元々は気性の荒い方の性格で、とにかく猪突猛進なところがありましたが、私に対しては紳士……いや、淑女的な態度を壊しませんでした。
 私とは、主人と式神という、主従関係で成り立っていることをわかっていたのかもしれません。彼女は聡明ですから。
 
 しかし、一昨日の事件があってから、真理矢は、あの後お風呂に連れて行った時も、「自分でなんとかしますので、姉様はお気になさらず」と、背中を向けて服を脱ぎ、ぴしゃりと風呂場のドアを閉めてしまいました。
 私は、一応、男性であるメローネと、女性である真理矢の両方と婚約している状態で、こういった状態のヘミシンカーさんどころか、普通の恋愛関係でもそういった情報は見つかりません。
 同性愛板に行くのもな……と思っていたのですが、ちょっとのぞいてみたところ、やはり「ノーマルはノーマル。ビアンはビアンで棲み分けはきちんとする!」と書いてあり、「そりゃあそうだよな。『非物質界で男性と女性と同時に付き合っています。しかし、最近、彼女が酷く動揺しています。どうすればいいでしょうか?』なんて書いたら袋だたきだよ』と思いました。

 そして、そういえば、真理矢の服がない!と思って、急遽洗濯している深緑色の制服とは別に、ロングスカートの緑のシスター服をイメージした服を造り上げました。
「真理矢、着替え置いておくからね」と言ったものの、返事が返ってきません。……ここに来ることになったサーシャと同じ状況なのかな?と思います。真理矢は、明らかに自分の中の激しい感情に動揺しているのです。

 そして昨日の夜、スピリット界に降りてきました。
 何故か、現実世界では、真理矢と話すことができないのです。以前は少しできていましたが、最近になって声が聞こえないようになったので、スピリット界で大事な話はすることになっています。

 スタート地点は、応接間でした。私より先に来ていた真理矢は、酷く憔悴しています。しゅっとシャープなラインの頬から顎にかけては少しくぼみ、目の下には隈ができています。しかし、それも「心痛に耐える少女の美貌」となっているのが、真理矢のすごいところです。
 
 しかし、問題は、壁の前に落ちて粉々になったティーカップです。それには、真理矢のものである、青い絵付けがされていました。

「真理矢」と、私は彼女を抱きしめました。
 物を大事にする真理矢が、自分のティーカップをおそらく投げつけて割ったのでしょう。それほど、彼女は追い詰められています。

「真理矢」と私はもう一回彼女の名前を呼んで、口づけようとしましたが、真理矢は体をよじって私の腕から逃れ、やはり間抜けにも自分が狙われていることも知らない獲物を目にしたような、肉食獣の獰猛さをまとった表情で私を見ました。
「今は、私に触らないでください」と、真理矢は全身で息をします。運動をしたわけでもないので、彼女の感情の高ぶりが見ていてわかります。
「わかってください。私は、気が長い方ではありません。もしかしたら、あなたを食いちぎるかもしれません。または、幽閉して誰にも見つからない場所で、飼い殺しにするかもしれませんよ?あなたは酷い人。でも、私はあなたをまだ失いたくない。そんなことをしたら、きっとあなたは私のことを恐怖の対象として見るしかないでしょう。わかって……」と、最後は涙目で、しかし私をにらみつけます。

 真理矢が、「姉様」といわずに「あなた」と言ったのは、初めてです。そして、私はようやく、真理矢がとてつもない獣を体に秘めていることに気づきました。
 愛する者を食らうことでしかできない獣。監禁して自分だけのものにしたいという獣。私は……黙って伸ばしかけた腕をだらんと下げました。どんな言葉も、真理矢の前では全て醜い私の保身が見破られる気がしたのです。

「……ごめんね、真理矢」と、私は長い沈黙の後、ようやく言葉を絞り出しました。
「メローネも真理矢も好きだなんて、虫が良すぎるよね。今まで、よく我慢したね。でも、あなたは私のナイト。一番先に悪いものに突撃できるのは真理矢だし、一番一緒にいるのも真理矢だよ。でも、真理矢には、それが苦痛だったんだね。どんんなに尽くしても、婚約者である私は男性であるメローネの方を見ている。そんなの、嫌だよね」
 そう言うと、真理矢は大きく息を吸って、吐きました。

 そして、私を、厚手の絨毯の上に押し倒すと、真理矢ははあ、はあ、と息を荒げています。
「もういいです!あなたの言葉は、間違ってはいない。でも、それが嫌なんです!どんな正論を言われても、私はあなたが好きで、でも、あなたは私を見てくれない!何故、あの男でないといけないんですか!?僕は、あなたを愛しています。女が女を愛することが、そんなに珍しくて、遊び甲斐のあることなんですか!?あなたは僕を好きではないのでは……」と言いつのる真理矢の唇を、私は自分の唇でふさぎました。
 そして、いつもの触れるだけのキスから、私は真理矢の唇を舌先でノックして、次に真理矢の口内へと侵入します。

「……真理矢」と、私は重々しく言いました。
「あなたは私の婚約者。でも、30年間処女を守り続けてきた私が、一時の感情で婚約するなんてことないでしょ?私は、あなたを愛してる。私は、もうあなたなしでは生きられない。心が、痛いの。真理矢とこうして向き合っていると、心の奥がきゅーんとして痛くなるの。でも、嫌な痛みじゃない。それが、恋の痛みなんだね」
 そう告げると、真理矢は「……」と考え込みます。良かった、少しは冷静さを取り戻してる。

「僕は、姉様が、まだ僕のことを『一緒に暮らす館の家族の一員』としか思ってないように考えていました。……でも、期待して良いのでしょうか?本当に、僕でいいのですか?」
 真理矢が、瞳の奥の獰猛さをなくして、今度は無表情のまま、涙をつうっと流します。
「真理矢じゃないと、メローネも許さないでしょ」といって、私は真理矢の傍に行って、その涙を舐め取ります。しょっぱい。
 
「真理矢。あなたは私の大事な子。こんなに我慢させてしまってごめんなさい。でも、私はあなたが好きなの。メローネを苦しませるとわかっていながら、あなたと関係を結んだ時に、感情が爆発してしまった。真理矢、ごめんね」
 そう言うと、真理矢がぎゅうっと抱きついてきました。そして、声もなく、私たちはそのまま抱き合っていました。
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たとえ未来のない恋でも

「姉様は最近、ちっとも僕に構ってくれませんね」と、真理矢からぽつりと言われました。
 忙しいメローネに代わって、私と真理矢がナイトメアの小屋を掃除していた時です。

「え?そうかな……確かに、一時期みたいにすごくスピリット界に降りてるわけじゃないけど」と答えながら、私は箒を置きます。
「いいえ。現実世界でも、僕のことを思ってくれることが少なくなりました。現実では、『ふおお、このカップリング最高-!』とか言ってもだえてますし」と、真理矢がじろりと見やります。

「そういう真理矢だって、私の抱き枕にこっそり入って堪能してるじゃない」と私がジト目で見返すと、真理矢はぼっと赤くなって、「わ、わかってらしたのですか!?」と後ずさります。
「わかってるっていうか、あれだけ『好き』オーラが返ってきたら、いくら鈍い私でもわかるよ」と言って、私は新しく飼い葉を敷き詰めます。

 私は、好きカップリング妄想をするときには、抱き枕を抱いたりキスしたりしてきゃーきゃー言っているのです。そこに、真理矢が入り込んでいる感覚はありました。

「うう……穴があったら入れたい」と真理矢がちょっとずれたことを言うので、「真理矢、赤毛みたいなこと言わなくていいの」とたしなめます。
「……ナイトメアにも穴はあるんだよな」と私がギャグのつもりで言うと、「やめろ、俺の処女が!」と、レッドラムが急に暴れ出すので、「冗談だよ冗談」と言って落ち着かせます。
「言っておくけどねえ、ご主人の冗談は冗談に聞こえないんだよ!」とレッドラムがぶるる、と鼻を鳴らします。ごめんね、心のチンコがある女で。

「そういえば、ナイトメアって雌雄ないんだっけ?」と聞くと、「まあそうですね。そっちのレッドラムも、一応牝馬ですし」と、こちらは冷静にマーダーが答えます。
「うんちもしないし……じゃあ、穴ないのかな?」と聞くと、「それとこれとは別です。ナイトメアは、人間や妖怪のオスの精液を持って行って繁殖するのです。なので、ナイトメアに襲われたくなければ、枕元に牛乳の入った瓶を置いておくと、精液と間違えて持っていくと言われます」と、マーダーがしゃんと立ちながら答えます。

「ふーん?人間でも、アマゾネスっていう女だけの部族がいたっていうしねえ。アマゾネスは、他部族の男をさらってきて、子供を作ったら男を始末するってのがあるけどね」と私は完璧に敷いた飼い葉に満足して、ふう、と息を吐きます。

「真理矢、まだすねてるの?」と聞くと、「いいえ」と真理矢の怒った声が聞こえます。……完璧にすねてますわ、これ。

「現実で妄想するぐらいは許してよ。真理矢にも構うようにするからさ」というと、「……別に、無理して僕に構わなくてもいいんですよ?僕はただの式神ですから」と返ってきます。
「私が、無理して真理矢のことを好いてるとでも?」というと、「違うんですか?」と返ってきます。

 私は、レッドラムの柵の出口を通ると、マーダーの柵に手を掛けます。しかし、「こっちに来ないでください!」と言われてしまいます。
「な、なんでよ?」と私が狼狽すると、「……顔を、見られたくありません。こんな、嫉妬した醜い顔、姉様には見られたくない」と同じ所を箒で掃きながら、真理矢は顔を伏せています。
 癖のある金髪が顔を隠し、私はそれだけで「女神様みたいな子だよなあ」と思って、頬を掻きます。

 私は、少しためらってから、柵を開け、マーダーの馬房に入ります。
「……真理矢」と声をかけますが、反応はありません。飼い葉はとうに敷き詰められており、掃除はほぼ終わっています。

「真理矢、命令です。顔を上げなさい」と、私が重く言うと、ぴくりと反応した真理矢は、「……こんな時に命令を使うなんて、酷い人」と言って、顔を上げ、私の方に向き直ります。
 真理矢は、今にも泣き出しそうに見えて、それから、今にもこちらに飛びかかりそうに獰猛にも見えます。
 
「……うん。それでいいの。恋なんてものは、綺麗なだけじゃない。もっとドロドロした醜いものすら恋なの。そして、それすら愛することが本当の『恋愛』ってやつなんじゃないかな。リーガル・ハイでも言ってたよね。『醜さを愛せ』。ああでも、真理矢はその醜さすら美しくもあるけど」と、私が言うと、真理矢は体当たりして、いきなり私の体を馬房の壁に押しつけます。

「適当な……適当なことを言って!醜い僕は愛せないくせに!ぼ、僕は、これでも悩んだり、寂しい思いをしたりしているんですよ!?女同士の関係で、姉様と釣り合うのだろうかとか!姉様を見ていて、やっぱり男性が好きなんじゃないかとか!だ、だから、僕は髪だって伸ばしたし、姉様の負担にならないように触れあうのも我慢した!姉様、はっきりおっしゃってください。やっぱり男性が好きだと。女なんか好きにならないと……」と、段々声が弱々しくなっていって、真理矢はずるずるとしゃがみ込みました。

「真理矢。私は真理矢が好きだよ?」と私が言うと、真理矢は「また嘘をついて」と弱々しく言います。
「いいえ、本当。同性愛者がいわゆる『ハッテン場』で割り切った肉体関係しか持たないのは、多分、真理矢みたいな苦しみから逃げるためだと思う。人を好きになったら、どうしてもそういう苦しみは出てくるんだよ。でも、真理矢は私のことを嫌いになる?」と聞くと、真理矢はぶんぶんと首を振りました。

「……私は真理矢が好き。真理矢も私が好き。それに性差なんてなくていい。男を好きになろうが女を好きになろうが、この世界は自由なんだよ。真理矢は、現実世界にもアクセスすることができるから、現実の婚姻制度に縛られているだけ。スピリット界では、誰が誰を好きになろうが自由なんだから」と、私は真理矢の手を取って、立ち上がらせました。

「……お取り込み中申し訳ないのですが、私の馬房で痴話喧嘩はちょっと……」とマーダーが言うので、「あ、ごめんごめん。真理矢、服に藁が付いちゃったよ。洗濯してお風呂入ろう?」と言って、私たちは手を繋いだまま館へと戻りました。
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