会食恐怖を知っていますか? | 魔法石の庭3rd

会食恐怖を知っていますか?

 私がかかっている病気の症状の一つに、「会食恐怖」というのがあります。
 聞いただけでは、「飲み会とか苦手ってだけ?」と思われるかもしれませんが、一時期は家族と食事をするのもダメで、夜中に一人で食べていました。家族とでは克服したのは5~6年前です。

 しかし、こういった病気の悪いところは、「自分に原因があって、他の人には言えない」と思ってしまうことにあります。
 実際、今も私は、家族に面と向かって「会食恐怖だから、外でご飯は食べられない」とは言っていません。それを言ってしまうと、なんだか「本当に病気か疑わしげな目で見られるのでは?」とか、「母や父が『育て方が悪かった』と思うのでは?」という、何かとてつもない罪を犯したような気になるのです。

 私の会食恐怖の始まりは、友人と食事に出かけたときです。
 今思えば、その時に既に鬱の兆候が出ていたのですが、「気分転換に」と友人が誘ってくれて、ファミレスで二人でステーキを頼みました。

 すると、なんか、体が変。手のひらにじんわりと汗が噴き出てきて、背中に冷たい汗が流れます。
 そのうち、「完食しなけりゃならない」とか「普通の人みたいに食事をしないと」という強迫観念のようなものが沸いてきて、結局その時はステーキを一切れしか食べられませんでした。

 それも、口にしたら飲み込むことができず、「ちょっとトイレ」と友人に断って、トイレで口に詰めた食事を全部吐き出しました。
 友人にも「風邪気味?」とかフォローされたのですが、「うん、ちょっとね。食べられそうだったんだけど……」と、その時はお茶を濁しましたが、その後、友人に同じように食事に誘われる度に、冷たい汗と「食べなきゃ。普通に食べなきゃ」という強迫観念が押し寄せてきて、その友人とはなんとなく疎遠になりました。

 家族で外食というのも、私の地獄でした。
 これまた以前、行楽地に行って、帰りにレストランで外食……ということになったのですが、私の強迫観念がまたじんわりと体を蝕み、私はその結構お値段のするレストランの中で、エビ炒飯を頼んで、少しは食べられるか……と思ったのですが。
 まず、父と母が頼んだ、エビのガーリック焼きの匂いだけでもう、私はギブ寸前。母は、「美味しいよ?食べたら?」と取り分けてくれようとしたのですが、私は口の中に溜まった、嫌な唾液を飲み込みながら、首を振るのが精一杯でした。
 
 で、エビ炒飯が来て、そこでも一口しか食べられず。でも、いくらか食べたことにするために、口の中に詰め込んで、「トイレ」と席を立って、それらを全部吐き出しました。

 不思議なことに、外食恐怖と普通の摂食障害の違いは、会食恐怖は、人目のないところなら普通に食事ができることです。
 摂食障害は、圧倒的に若い女性がダイエットの延長線上としてなることが多く、家でも食事をすることが罪なように思う病気です。

 例の、モラハラの彼と別れた後、ちょっとメールで良い感じになった人に、「実は……」と打ち明けたところ、「ふーん。でも、それって病気じゃないよね?ぶっちゃけ小食の女子って可愛いとかでしょ?甘えてるよね?もし俺がイケメンだったら普通に食えるよね?」と言われ、私はものすごくショックを受けました。
 で、「会食恐怖は、一般の人には受け入れられないんだ……」という、間違った認識ができてしまったのです。でも、その人とはそのメールで切りました。返事を返さなくなったら、相手も返してこなくなったので、まあ、それだけの縁だったのでしょう。

 今書いていて、そのメル友に腹立ってくるのですが、数年前までは「そう思われるのも仕方ない」と諦めていたので、少しは「自分のために怒ることができる」ようになったと、病状は回復してきたと思います。

 今は、家族も、何も言わなくてもなんとなく分かってきたようで、「個室のある所なら大丈夫?」とか事前に言ってくれます。
 ぶっちゃけ、この病気は個室でもあんまり病状は変わらないのですが(外で食事をするということに大きな抵抗を感じるので)、その気遣いだけで結構違ってきます。

 でも、今も、病状は治ってなくて、食べ物を口にしたらすぐ吐き出したくなりますし、不便なこと沢山あるんですけど。
 これから社会に出る時に、女友達ができたとして、「一緒にランチに行こう」と誘われても、断るしかできませんし。今の職場でも、5年働いて、ようやくお弁当を4口くらい食べられるようになったぐらいです。危険なのが、口いっぱいにご飯を詰めると、喉は「出す」となっていて、口は「消化する」となっているので、そのまま硬直状態になるんですよねえ。
 だから、ちまちま食べるようにしています。

 あとは、家ではちゃんと食べられるので、残してきたお弁当は家で食べています。
 会食恐怖、もっと知識が一般的に広まって欲しいんですけどね。でも、摂食障害も「すらりとした美人で……」と、まるで痩せていることが美人の証、となっている今では、難しいでしょうね。人には適正体重というものがあって、痩せている=その人が美しく見える体重ではないのですよ。

 早く治したい。それだけですね。
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