アルテミスにておでん、はじめました | 魔法石の庭3rd

アルテミスにておでん、はじめました

 昨日の夜になりますが、「アルテミス」がおでんを始めたらしいので、食べに行ってきました。

「おー、盛況盛況。こりゃ徳も期待して良いね」と、いつもどおりお客様がいっぱいの店内に、ウハウハな私です。
「それにしても……バーにおでんって良いのかなあ?」と思ってカウンター席に座ると(真理矢は背後に立っています)、カウンターの内側で、コンビニのようなおでんの大きいマシーンがぐつぐつと音を立てています。

「かみなか。どう?一杯やってく?」と赤毛が言いますが、「今日はおでんを食べに来たからお酒はいい。ウーロン茶にして」と言います。
「うん、ちょっと待ってね」というと、今まで喋っていた女の子たちに「君たちもおでんどう?」と聞いて、了承をもらっています。……セクハラするなよ、口説くなよ、と思いましたが、そこのところは上手くやっているようです。

「あらかみな。おでん食べに来たのね」と姫様が、ポニーテールにたすき掛けでやって来ます。「うん。今日は冷えますからね。暖かいものが食べたくて」と言うと、「何が食べたい?」とお箸を持ちます。「んーと、何があります?」と聞くと、東西の文化で何でもあります」というので、「じゃあ、卵とつみれとあと、昆布。それと、餅きんちゃくも」と、王道なのかそうでないのかよくわからない頼み方をします。
「了解しました。卵と、つみれと、昆布と……餅きんですね。はいどうぞ」と取り分けてくれて、私はそれに手を付けずにウーロン茶を飲みます。

「かみな、猫舌ですものね」と姫様が苦笑します。「お鍋の時なんかは、いっつもそれで出遅れるんですよ」と言いつつ、ふーふーと息を吹きかけておでんを冷まします。
「はい、真理矢」と、箸で卵を刺して(私、正しいお箸の使い方わかっていません)背後の真理矢に持っていきます。
「……え。お嬢様、まだ一つも食べていないじゃないですか」と言うので、「まあまあ、味見」と言って、「では……」と真理矢が卵に口を付けます。

「……美味しいですね」と真理矢が言うと、「これを目当てに通ってくる人もいるんですよ」と姫様が胸を張ります。
 姫様、胸を張ると着物がぱっつんぱっつんに……!(物理的な問題じゃない)

「どれどれ」と、私も卵を頬張ります。うん、味が染みていて美味しい。
「んー……疲れた心に染みますねえ。このために仕事してるようなものです」と言うと、「君、休みだったでしょ」と赤毛がツッコんできます。

「うん、うん、でも美味しい。餅きんもとろっとしてて……アツゥイ!」となってしまいます。餅きん、最後に食べるべきでした。
「お嬢様!」と真理矢が背後から手を掛けてきます。「大丈夫ですか?おけがは?」と言うので、「ちょっと舌を火傷しただけだよ。口内だからすぐ治る」と言います。……まったく、真理矢って過保護なんだから。

 すると、真理矢は珍しく隣に座ったかと思うと、「私が吹いて差し上げます」と私のおでん皿を取りました。え?
「ふーふー。はい、どうぞ」と真理矢から餌付けされているような格好になります。
「お二人さん、熱いねえ」と赤毛がニヤニヤしているので、「熱いもなにも、親子関係が逆転してるだけだから」と言い放っておきます。
 でも、端から見たらこれ、「はい、あーん」ですよね。私が美少年にうつつを抜かしていると噂になりますよね!?女の子だっていっても、真理矢の外見じゃ信じてもらえないですよね?

「ま、真理矢、後は自分で食べられるから」と言って皿を奪い返そうとすると、「駄目です。お嬢様のお世話は僕がいたします」と言われ、昆布を口に入れられて、何も喋れなくなります。

 なんか、親子逆転っていうか、介護老人になったような……。私、子供も産んでないのに、子供に介護されてるような。

「お嬢様、お代わりは?」と100%善意の笑みで真理矢が言ってくるので、「も、もう結構……」とそっぽを向いてしまいます。恥ずかしい。
 
 すると、意味不明の叫び声を上げながら、がしゃーんとグラスの割れる音がします。酔っ払いかー嫌だなーと思っていると、姫様がすかさずスイッチを押しました。
「ハハハハ!君、乱暴は良くないな!」と、スーパーマンが瞬時に駆けつけます。「よし、精神を鍛えるために、僕と外で乾布摩擦しよう!健康第一だよ!」とスーパーマンが言いながら、酔っ払いを外に連れ出しました。……お見事。でも、この寒いのに乾布摩擦とかマジ拷問。酔っ払い、南無。

「じゃあ、おでんも食べたし、帰るね。赤毛、姫様、ごちそうさま」と言って、私は外に出ます。……外では、半裸の男2人が「いーち、にーい!」と乾布摩擦しています。……なんだこの状況。酔っ払いは可哀想なほど震えて、「ずみばせん~もうしばせん~」と泣いています。そりゃ泣きたくもなるわな。

「あ、オリオン座。夜に外に出るって滅多になかったけど、スピリット界は星も綺麗だね」と、あえてスーパーマンたちから目をそらして、私は空を見上げつつ飛びます。……だって館まで歩きだと山登らなくっちゃならないんですもん。どうしてそんな立地にしたの?私。

「お嬢様、冷えますので、中に」と真理矢が玄関を開けてくれながら言います。確か私、「男に目の前で扉開けて貰うのってなんか嫌!自分で開けられるっちゅーに!」と言っていましたが、真理矢相手だと腹も立ちません。愛かな。
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