奥山貴弘さんのことを知って | 魔法石の庭3rd

奥山貴弘さんのことを知って

 最近、友人の南雲風花さん(twitterにて活動中。楽天ブログもやってるよ!)のツイートを見て、「奥山貴弘」さんというライターを知りました。
 奥山氏は、「31歳ガン漂流」という独特の文章の闘病記(って言ったら良いんだろうか……エッセイって言った方が良いのかな)にて本を出し、後に三冊の「ガン漂流シリーズ」を出して、2005年に亡くなったという経歴を持っていました。

 本自体は私は所持していないのですが、生前のブログはまだ公表しているので、それを読んで、衝撃を受けました。
 だって、とてもじゃないですけど、「ガン患者で、もう2年も持たないと余命宣告をされている人の日記」ではないのです。

 本はどうかわかりませんが、ブログからは、一切と言っていいほど、「悲壮感」のようなものは感じられません。
 映画を観に行ったり、食べ歩きをしたり、たまに病院から「入院した」と更新があったり。この、「一日だけ入院。で、看護婦(当時はまだ看護師という表記ではなかった)に『食事はどうします?食べますか?点滴にしますか?』と聞かれて、『一日だけなんで別にどっちでもいいですよ』と答えたら不審そうな顔に。後で聞いてみたら、一日だけというのは嘘で、かなり容態が進行しているのに、フラフラしている俺をとにかく入院させるための主治医の罠だったのだ!!」とか。

 この奥山氏の生き様を読んでいて、私は「なんてロックな人だ!!」と衝撃を受けました。
 いや、そりゃあ、破天荒というか、ロックな生き様をしている人は他にもいますよ?でも、奥山氏の「ロック魂」は、そんじょそこらのロックではないのです。なにせ、自分の命をかけた最期までロックのまま生きた人だったのですから。
 そのロックたるや、ハードで、ヘビーで、メタルで、ハードコアでもあります。
 奥山氏は命が途切れる最期まで、パソコンを使えなくなるほど衰弱しても、口述で文章を書き続けた人だったそうです。

 闘病記を書くにあたって奥山氏は、「俺は根っからの理系人間だし、人を感動させるようなセカチューみたいな闘病記もまあ、あっていいだろうけど、俺には書けないと思う。だから、事実そのままを書きたい。新聞の、『ガンで死亡』みたいな記事を読んで泣くという人もいると思うだろうけど、俺の闘病記はそれぐらいドライな記事になると思う」と書いています。
 
 私の理想としている死に方も、「死ぬ間際までペンを取っていたい」という生き方なのですが、まさに奥山氏はそれを体現した人だったのです。
 それが、すごいなと。というか、「すごいな」というありきたりな言葉しか出てこないこの脳みそが憎らしくなるほどの衝撃でした。

 最後に入院してから、毎日2リットルもの腹水を抜いてもらうような状態で、ベッドからもろくに歩けないのに「腹水が溜まって俺の腹は妊婦みたいになってる。なにせ、この腹水が胃を押すもので、とにかく食欲がない。妊婦はどうやって食欲を得ているのだろうか?何か人体は上手いことできていて、妊婦は飯が食えるようになっているのだろうか」とか、「俺の腹はカエルみたいだ」とか書いているのです。
 本当に、あるがままを書いていて、生前のブログを読んでいると、「とにかくどこかシニカルで、世の中を斜めに見ていて、それでいて子供みたいな無邪気さも持っている人だな」と思わされます。
 
 亡くなっているのが本当に惜しいし、今までこんな人を知らなかった自分にも腹が立ちます。
 もっと、奥山さんの文章が読みたかった。奥山さんを知りたかった。と。
 
 とにかく、生き様がロックそのものという奥山氏。
 その、最後のブログのurlを貼っておきます。もっと沢山の人に、奥山氏が生きていたということ、書き続け、世間に対して吠え続けていたということを知って欲しいからです。
 この、弱小ブログから、奥山氏を知って欲しいという、メッセージを込めて。

 32歳ガン漂流エヴォリューション
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