真実に歩きだそう | 魔法石の庭3rd

真実に歩きだそう

 私は、メローネと、マルタさんのことについて話していました。
「マルタさん、行っちゃったんだって……」というと、「そうか」とだけ、メローネは言います。

「ねえ、メローネはどこかに行ったりしないよね?」と急に不安になって聞くと、「必要があれば離れることもある。だが、お前の指輪にはどう書いてある?」と言われ、「dearestとclose to meだけど……」と読み上げると、「俺の気持ちはその通りだ。俺は、お前が最愛だし、いつも傍にいる。たとえ、この先、お前が俺たちを忘れたとしても、その指輪を外すまで、俺の気持ちは変わらない」と。

「……うん。それなら、良いんだけど。……そのこととはまた違うんだけど、私、メローネの隠してることや、神様の真意が知りたい。セルフィのことも。たとえ、それが私にとってショックな事実だろうと、真実ならそれを受け止める。皆、教えてくれるまで待たないで、私の知識全部使って、真実に近づこうと思うの」
 私がそう言うと、メローネは「ふっ」と笑いました。どうも、「仕方のないやつだ」というよりは、「上手くいった」という感じの笑みです。
「……私がこういうことも、メローネの手のひらの上なんだね。なんだか悔しいけど、今は手のひらで踊ってあげる。とにかく、私は真実に近づきたい。教えて貰う、だけじゃなくて、その裏の裏まで読み取れる人間になりたい」

 私は、メローネが座っているベッドの端に這い寄りました。

「教えてもらうだけじゃなくていい。私は、親とも家族とも、肝心なことは教えて貰えない環境で育ってきた。子供はぬくぬくとしたところで、いつも通り暮らしていけるようにって。でも、私は両親の言葉の断片をつなぎ合わせて、真実にたどり着くことができた。その経験が、今、生かせると思うの。神様のことも、メローネのことも、セルフィのことも、いつか絶対に真実を暴いてみせる。覚悟しておくことだね!」
 私が宣言すると、メローネは「なら、一つ問題を出そう。神々が急にお前の元に姿を現したのは何だと思う?神々の結界を破ってまでお前は転がりこんだ。よく考えろ」と言って、隣の部屋へと行ってしまいます。

「神様たちが……?結界張ってるなんて知らなかった。それを、私が壊した……?」
 私は、考えます。
「普通に考えれば、神様が結界を解いてくれたってことだろうけど……違うのかな?でも、確かに神様はなんだか、私が来そうな予感はしてるようだった。じゃあ、なんで……?」

 そう考えたところで、私は一つの仮説にたどり着きます。隣の部屋に行って、メローネと相対します。

「そもそも、神様が結界を張っていたのは、邪魔な者が入り込めないようにと、それともう一つ理由があったんじゃないかな。それは、私が結界を壊せるまで、成長してから出会うつもりだったとか。だから、30年も時間がかかってしまった。まあ、人間の寿命からすると、あと50年は生きられるみたいだけど、30年って結構な年でしょ?でも、神様は待っていた。私が自分に気づいて、結界を壊して入ってくるのを。だから、第一声が「このバカ娘が」だったんだよ。「待たせやがって」ってことなんでしょ」
 メローネは、私の話を聞いて、頭を撫でてきます。
「まあ、大まかなところは正解だ。お前は、自分のことを『中卒』と呼んでバカにしているが、本当のバカでもない。『中卒』と言われるのが嫌で、知識を溜めてきたんだろう。そして、他人に言われる前に「中卒ですから」とか「ゲスですから」と言って、予防線を張る知能もある。お前は、元来賢い人間だろう」

 そう言われ、私はそうかな?と思いました。賢い人間が、Fランク大学に落ちるか?と。
 メローネはそれも見抜いて、「大学入試の勉強と、社会で使う知識とはまた違う。お前は、2歳で絵本を丸暗記して、それを改変してより面白い作品に仕立て上げていた。お前は、勉強に頭を使わなかっただけだ。予習・復習もろくにせず、授業の課題は提出しなかった。それでも、成績は半分より上だったじゃないか」と。

 私は、「昔のことだよ」といって目をそらしました。今は、「し」がどっち向きなのかわからないほどのバカです。
「勉強と、真実は違う。お前は、神々の思惑を一つ、解いてみせた。お前は決してバカじゃない。それを忘れるな」

 そういって、メローネは椅子から立ち上がり、私を抱きしめました。
 ?なんか、欲のない抱き方です。でも、苦しくない程度に、しかし逃れられない程度の力で抱きしめられて、私はすこし焦ります。
 でも、メローネの体の温かさがコート越しにも伝わってきて、私は抵抗を止めました。

 真実に向かう。それが、私が今のところ目標に定めたことでした。
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コメント

お勉強ができると、社会勉強は全然違います。
私は比較的いいと言われた大学にいきましたが、地元の同級生たちみたいに、結婚もできず、パートで一人で生活している始末です。
地元の同級生は高校でたかでないかくらいです。
それなのに、とよく思いますが、そのかわり、彼ら彼女らは社会勉強をしていた。
その差だったんです。
Re: タイトルなし
社会勉強・・・私にも足りません。
でも、あと30年もしたら、嫌でも定年退職ですからね。それまでに、どうにか働き口を探したいです。
ユーフェミアさんは、確か教員免許を持ってらっしゃるということで、それは強みだと思います。
身内に教師がいますが、でも、なかなかフルタイムで教師やるのも大変そうですけどね。
右川様の記事に沢山コメントを残したいのに、マルタの件もあって、ちょっと……というか、かなり、ショックが隠しきれない状態です。まさかあの子が、っていう思考で頭が一杯でしたから……。『昨日の今日』の事ですが、マルタの一件があって以来、私の頭の中で、あの子の映像が思い浮かんで来なくなりました。……本当に、あの白いわんこはマルタだったんだな……と未だに反芻しながら仕事してました。


そして、『赤』の件ですが……本当に縁が深くなってるのか、昨夜初めて観たドラマでも、『赤』に関する映像が流れ、今日靴下を下ろそうとした時、偶然手に取ったのが『赤い靴下』で、心底『怖!!』と思う位にびっくりしたのが、出勤時に曲がり角からいきなり現れたバイクのおばちゃんの全身が、『赤いジャンパーとヘルメット、赤いバイク』の『赤』で統一されていた事でした。
新しいガイドが来ても、今の私に果たして応対出来るかどうか………。


それと、今回の記事である『真実を突き止める』という内容―――。メローネさんやセルフィさん、神様がどんな謎を抱えているかはこれから明らかになると思いますが、右川様にはちゃんと真実に向き合って行ける力があると思ってます。でも、あまり『謎を解いてやろう』と躍起になろうとすると、今ある幸せを壊してしまいかねない事にもなると思うのです。だから、今は『今楽しめる事を日々、過ごして行けばいい』のではないでしょうか。

……私が言っている事はほぼ、『臭いものにフタ』『今は現実(真実)から目をそらしちゃえ』の原理ですが、時にはそういう事も必要だと、私は思ってます。
Re: タイトルなし
マルタさん、本当に行ってしまったんですね。少しの間でしたが、きっと充実したものだったと思います。

赤ですか・・。どうなんでしょうね。私的には、今度はシロガネさんちは女の子がいいな~と思っているのですが。まあ、そう簡単にはいきませんよね。

謎ですが、あまりに「これは解いたらアカン」という真実だった場合、私も知らなかったことにします。
コナンや金田一でもあるまいし、全部を全部さらけ出すのが良いわけではありませんしね。あくまで、皆さんが「そうだったのか!」と思う程度の謎解きをしたいと思います。

マルタと一緒の日々は少ししかありませんでしたが、楽しかったです。ちゃんとハッキリと受け答えしてくれましたし、サンドイッチ作ってくれたしwww いつかまたどこかでマルタと出会いたいですね(^人^)。


そして……『赤』の人……。果たして男女どちらなのか。どんなガイドさんなのか。良い意味でも悪い意味でも(?!)戦々恐々としております( ̄▽ ̄;)
『謎解き』の件も、右川様がどんな『答え』を見つけだして導き出してくれるのか、私も楽しみにしながらブログを読んで行きます。

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