レッツ・バカンス | 魔法石の庭3rd

レッツ・バカンス

「ゴールデンウィークも引きこもりなかみなに、今日は良いところを教えてあげるわ」と、セルフィがなにか企んでいる笑みをこぼします。
「良いところ?旅行にでも行くの?」と聞くと、「まあ、館を開けるわけにもいかないでしょうから、遊んでくるだけよ。サーシャも連れてきなさい。そこの式神2人も来て良いわ」というので、私たちは顔を見合わせて、「エレ君は?」と聞くと、「あの子はダメよ。色々と刺激が強すぎるわ」と言われます。珍しく一緒にいた茨に、「今日はエレ君は?」と聞くと、「今日は休みだよ。あんまり根を詰めて勉強しても参るだろ?」と言われました。

「刺激の強いところ……?夜のお店?」とか思っていると(この時点でピンク脳ですよね)、「かみな、お茶が……きゃっ」と、サーシャがセルフィに手を引かれてびっくりしているようです。
「さ、集まったわ。行きましょう」と言って、セルフィ先導のもと、どこかにテレポートします。

 目を開けると……そこは、海でした。
 しかも、マリンブルーで、足下がジャラジャラすると思ったら、砂が全て、砕かれたサンゴです。
「セルフィ、ここって日本じゃないでしょ?」と聞くと、「そうよ。でも、良いところでしょ?一年中泳げるわ」と言って、セルフィが服を脱ぎ出します。
「え、私たち、水着持ってきてないよ?」と言うと、「そんなの必要ないわ。ここはプライベートビーチだもの。さ、あなたたちも脱いだ脱いだ」と、私のローブをすっぽんと脱がせて、下のフリルのついたシャツもすぽーんと脱がせてきます。
「じ、自分で脱げるから」と言って、私は辺りを見回しました。確かに、人の気配がまったくありません。

 すると、茨が既に全裸になっています。は、早い……!飲み込みが早すぎる!
 真理矢は、自分の体に自信がないのか、もじもじしていましたが、セルフィと茨とに囲まれて、「ほら、脱いで!」「や、やめてください!」と脱がされていました。

 なるほど、裸になるから、エレ君を連れてこなかったのね……と。サーシャは、戸惑っていましたが、「いつまでも脱がないとセルフィと茨の餌食になる」というのを悟ったのか、自分でワンピースの裾を持ち上げて、一気に脱いでいます。

 というか、セルフィも茨も、自分たちがボインだから平気で脱げるんだよ!と意味なく憤ったり。私も、ないわけではないですけど、やはり2人には負けますしね。

「そういえば、流水だけど、サーシャは大丈夫?」と聞くと、サーシャはふん、と鼻を鳴らして「もう平気よ。私は吸血鬼の亡霊だもの。苦手なものはほとんどないわ」と言い放ちます。

「さあ、泳ぐわよ~!」とすっかりテンションの上がったセルフィに連れられて、私は水に体を浸します。太陽は日本のようにじめじめとした暑さではなく、からっと爽やかな風を持ってきます。
 現実では、まだまだ海開きは先ですが、私たちは一足早い海開きです。

 私が平泳ぎでのろのろ泳いでいると、茨の泳ぎ方が変だと気がつきました。
 バサロ泳法というか……沈むんです。潜水みたいな?
 で、聞いて見たら、「昔の日本人は皆こうだったんだ。海女なんてのもいるだろ?」と言われました。なるほどね。

 しかし、乾いた異国の地での水泳は、私を想像以上に満たしてくれました。もう、ずっと泳いでいたい。昔から、泳ぐのは好きなのです。クロールやバタフライはうまく息継ぎができないので苦手なのですが、平泳ぎとか背泳ぎだったらずっと顔を出していれば好きなときに息継ぎができるので好きです。

 しばらく泳ぎに夢中になっていて気づくと、いつの間にか砂浜にはパラソルとチェアが用意されています。
 そして、執事姿の男性がやってくると、「セルフィ様、ここにお飲み物をご用意しました」「あら、ありがとう」というやりとりをしていました。
 ……セルフィ、ホントにあんた、何者なの?実は私より徳持ちだったり?

 サーシャは亡霊だから疲れやすいのか、チェアに腰掛けて、飲み物を一口含むと、タオルで目隠しして一休みしています。
 そういえば、亡霊って、自我が時々保てなくなるって聞いたけど……大丈夫なの?と思いますけど、今のところ、ちょっとぼーっとしている時はあるものの、そんなに気になる時間ずっとぼーっとしているわけでもないので平気でしょう。

 真理矢はというと……見事にセルフィにからかわれています。
「胸は揉んで貰うと大きくなるのよ~」と、背後から胸をわしづかみにされ、「ちょっ……やめ、やめてください!」とまるで漫画のようなことをしでかしています。
 茨はというと、潜ってきて、「見てごらんこれ!立派なアワビだよ!」と食べ物を採集するのに夢中のようです。

 そうして、結構な時間遊んでいて、夕方、館に帰ってきました。
 サーシャが疲れて眠ってしまっているので、茨がおんぶしています。そして、真理矢が茨の戦利品……アワビやウニなどの海鮮を館の皆のお土産にして持っています。

 テレポートで館に戻って、私はセルフィに「あ、あの。今日は楽しかった。ありがとうね」と言うと、セルフィはにっこり笑って「そうでもないわ。たまには現実のあなたも息抜きしなさいな。あなた、引きこもってて暇な時も、ずっと頭は動いてるでしょ?面倒な日常を忘れて、バカンスも良いものよ」と言いました。

「今日は海鮮料理ですかね」と、真理矢が戦利品を見ながら言うので、私は思わずお腹が鳴ってしまいました。
「……ごめん」と赤くなりつつ言うと、真理矢はくすっと笑って「仕方ないです。今日は姉様の分も残しておきますからね」と言ってくれました。
 
 こんな感じで、スピリット界体験も、徐々に書いていきたいと思います。最近、多肉のことばかりでしたからね。
 スピリット界にも降りてますよーということで。
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