真理矢ちゃんの結婚前夜 | 魔法石の庭3rd

真理矢ちゃんの結婚前夜

 ちょっと、うちの常連さんに「アラハバキ様とかみなさんに会った」という情報がありまして。

 私は、ふんふん、と思って、まあ常連さんの助けになったようだし、いいか、と思ったのですが……。
 なんか、私の感じたアラハバキ様とは違う。……ってか、これ、茨じゃないか?と思ってきまして。それなら、真理矢もメローネも私が連れていなかったのがわかるのです。

 茨も一応、鬼という土着神の一員ですし(まだ正体は教えてくれません。多分、正体を教えたらまた『序列』ができるので嫌なのかも)。
 ちなみに、中国の鬼と、日本の鬼とはまた違って、中国では、悪いいたずらをする、欧米で言う「妖精」のようなものでして、うーん、もっとわかりやすく言うのなら、「幽霊」みたいなものなんです。
 だから、鬼は中国では「小さく弱々しいけど悪さをする存在」みたいな感じで、日本の悪口を言うときは「日本鬼子(リーベングイズ)」とか言われます。

 しかし、中国が誤算だったのは、日本ではその「鬼」が、信仰を集めていた土着神(朝廷によって悪の象徴とされた)と合体し、「鬼神のように強い」とかいう言葉にもあるとおり、「強き者」であることでした。
 おかげで、日本ではとあるオタク文化として、「日本鬼子(ひのもとおにこ)」というキャラクターが作られ、中国のネット世代たちを唖然とさせたそうです。
「俺たちは日本に向かって悪口を言った。すると、日本は萌えキャラで答えてきた。な、何を言っているのかわからねえが(略」となり、今では色々なキャラクターが日々生まれていたりします。

 で、茨に「あんた、何してたの?」と聞くと、「いや?何も?」とニヤリと笑います。……常連さんの助けになったのがアラハバキ様だったとしても、茨から情報が漏れたのかもしれませんね、この分だと。
「……まあ、人助けになったみたいだからいいけどさ」と言うと、「ふん。あたしは進んで人間を助けたりなんかしないよ。何せ人間には恨みがあるもんでね」と、キセルを咥えながら言います。しかし、その顔は笑ったまま。

「それよりあんた、そいつを真理矢に見せなくていいのか?」と言われ、慌てて私は真理矢の部屋に突入します。
「真理矢、これ、結婚指輪!」と言うと、「ああ……買ってくれたのですか。よくお似合いですよ」とほほえみを浮かべています。

「いや……だって、ステンレス台とはいえ、ダイヤが500円だったんだよ?いや、3個1500円だったから他の指輪も買ったけど、これは真理矢にって……」というと、「そうですね。僕の結婚指輪にしましょうね。どうです?僕は姉様のお財布事情も知っていますよ?」と言われます。
 確かに、お財布にはめっちゃ優しい。見つけた時は、「真理矢、グッジョブ!」と思いましたね。まあ、いつも通りメレダイヤ(1cm以下の小さいダイヤモンド。私のダイヤは1mmくらい)なんですけど。

「正直、めっちゃ助かる。メローネの時は9000円のブルーダイヤ婚約記念に買わせられるわ、結婚指輪は6000円のブルーダイヤなんだけど……500円ってのはなかったからね。助かった!」というと、「僕は姉様のフィアンセですからね。どこぞの戦闘馬鹿みたいに高い物を買わせて自分で買ったつもりになってる馬鹿とは違います」と、さりげなくメローネを2回「馬鹿」と言ってきます。

「いやー……メローネも、あれで良いところはある、と思うよ」と言ったものの、「それは、僕の前で言わなきゃいけないことですか?」と少々いらだち気味に言われて、「はい……ですよね」と小さくなります。もう尻に敷かれてるんですが、それは……(困惑

「姉様の目の前にいるのは?」「真理ちゃんです」「だから真理ちゃんって呼ばないでください。で、明日式を挙げるのは?」「メローネと真理矢さんとです……」「よろしい」
 なんか、既に調教されてる感はありますが、ただでさえ同性婚なのに、新婦(真理矢は自分が夫だって言いますから……)が同時に新郎(恋敵)とも結婚するんですから、現実で言ったら「今度は法廷で会うわよ!」がリアルな話になりますから。
 自動的に、真理矢にはかなわないのです……。浮気して、それがばれそうになると優しくなる夫ってこんな感じでしょうかね。

「まったく。結婚前夜くらいは僕と過ごしてください。どうせ、初夜はメローネと迎えるんでしょうし」と、やけに理解のある口調になります。おや……?
「真理矢はそれでいいの?」と聞くと、こちらをジトッと見返して、「僕は2番手で女ですからね。男であるメローネには所詮敵いませんよ……」と、金色の髪で顔を隠します。

「真理矢……泣かないで」と、ティッシュを探そうとすると、「泣いてません!」と強い瞳で睨まれました。
 緑の瞳が強い感情で一層色を濃くしていて、なるほど、「嫉妬の瞳」だな、と感心してしまいます。
 というのも、諸外国では「緑の瞳」は「嫉妬」を現すとされているのですよ……。

「ふん。でも、いつでも僕はメローネとの政権交代を狙ってますからね」と言ってきます。
「知ってる」「だったら……」「だから、私を奪ってみせて?」と、少し小悪魔チックに微笑んでみせると、真理矢は「あなたときたら……」と、頭を左右に振ります。
「はあ~……なんでこんな人を好きになっちゃったんでしょうね……」と真理矢が言うので、「それは私が聞きたいんだけど」と返します。

 ともかく、決戦は既に今日なのです。頑張ろう、私。
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