スモーキー・トリル | 魔法石の庭3rd

スモーキー・トリル

 なんか、去年か一昨年買った、アゼツライトのリングをしているのですが、これ、11号より明らかに大きいよね?って感じです。
 華奢なデザインだから?なんか、リングの場合、幅が広くなると皮膚と接している面積も広がるので、摩擦が起きやすい……つまり、幅の広いリングをする時は1号大きなサイズを選ぶと良いそうです。たとえば、翡翠のくりぬきリングなんかは、ぴったりサイズだときついわけですね。

 さて、昨日の我が嵐が丘の様子を見ていきましょう。

「茨、だいたい片付きましたよ」と真理矢が応接間まで呼びに来ました。……現実の方にいないで、ずっとあっちで引っ越しの片付けしていたようです。
「ああ、サンキュー。それと、もうあんたとあたしはいわば同僚なんだから、敬語はやめてくれよ」と茨が頭をこりこり掻くと、「そういうわけにもいかないでしょう。あなたは一応鬼……古き神々の一柱ですから。僕は、姉様とも敬語ですし。ま、メローネは格下なので敬語を使う必要もありませんけどね!」とドヤ顔で真理矢が言います。……多分、ガチでケンカしたらメローネには負けると思うんですけど。

「んー。なんていうかな。慇懃無礼って言葉を知ってるか?丁寧さも度が過ぎるとかえって相手の失礼に当たるって意味なんだが」と茨が言うので、真理矢は「それぐらい知ってます」とすました顔で言ってのけます。
「……え?何?私のことも実は下に見てるってこと?」と私がちょっとショックを受けていると、「いえいえ、姉様は違いますから!本気の敬語ですから!」と真理矢が慌てるので、「何だろう?本気の敬語って何だろう?」と二人を見回します。

「……でもさ。二人とも、なんで私なんかを主に選んだわけ?私は確かに、人間だからこっちの世界ではある程度の能力はあるよ?でも、現実ではただの30歳超えたパートタイマーの障害者だよ?よくこんなのの式神になったなーって。真理矢も茨も、前から私を見てたみたいだし」
 そう言うと、真理矢は「姉様が姉様だからついていくのです!」と単純明快に答え、対して茨は「ううむ」とうなります。

「リーダーとか主ってのはね。大まかに2種類にわけることができるんだ。まず、能力が高かったり、責任感があったりで、『こいつについていけば安心だ』ってタイプだね。リーダーとか主って言葉だけだと、こういう人間を指すことが多い。しかし逆に、全然ダメだったり、能力もたいしたことないやつが主に選ばれることもある。こういうのは、大抵『こいつは私が面倒を見ないと生きていけない』っていうやつだね。いわゆるダメ男とかダメ女は、こういうタイプかな?あんたたちの世界でもあるはずだよ、友人に借金、彼女に仕事から家事まで全部やらせる、でも、何故か周りは文句を言いながらも付き合ってしまうってのがね」

 私は、「それって、私がダメ女だってこと……?」と聞くと、茨はカカカと笑って「まさにそれだね。しかし、こういう人間は、何故か優れた人間とくっつくんだよ。ダメ男は働き者の女を見つけ、ダメ女は能力の高い男を捕まえる。そういうもんなんだ。よく、『仕事も家事もできて完璧だけど、なぜか付き合う人間がダメ男ばかり』って女がいるだろ?それは、そういう風にシステムができあがってるってわけだ」

 そこで、茨は着物の懐からキセルを取り出しましたが……そこで、ふと私たちに気づいたように見えて、「ああ、あんたらはタバコはやらないんだっけ。ちなみに、この館の喫煙所はどこだい?」と聞くので、「喫煙所は特にないけど。今までタバコ吸うガイドも式神も妖怪もいなかったしね。でも、窓を開けるとか、自分の部屋なら吸ってても文句は言わないよ」と返します。

「いやいや、あたしもそろそろタバコ止めようかと思ってるんだけどね。これがなかなか……赤ん坊のおしゃぶりと同じさね。ちょっと手持ち無沙汰になるとつい一服したくなるんだよ」と言って、茨は応接間の窓を開け、慣れた手つきでキセルに刻みタバコの葉をセットすると、キセルを咥えてジッポ?っていうんですか?金属製のライターで火を付けます。
 そして、窓を開けると、気持ちよさそうに目を細めて、煙を吸い込み、吐きました。

「マッチじゃないんだね?」と聞くと、「まあね。昔なんぞは火打ち石で、これが慣れないと全然火が付かなくてね。マッチが出てきた時には本当に画期的な発明品だと思ったが、すぐにライターなんてものが出てくるとはね……しかし、便利だから使ってるんだよ」と言って、煙を吐きます。
「しかし、何故ジッポを?普通のライターでも良いでしょうに」と真理矢が言うと、「ん?ああ。こいつは、使い込むごとに味が出てくるんだよ。愛煙家の中では、傷だらけで煤けたジッポってのがまたカッコイイってもんでね。オイルさえ足してやれば、いくらでも使えるからねえ」と茨が答えます。

「へえ……まあ、私の周りの友人も、愛煙家多いけど。私は吸わないし、吸ったことないからわかんないんだけど、何となくタバコってのは嗜好品というよりも、精神安定剤代わりみたいな気はしてるよ。昔、テレビで観たことあるんだけど、ウサギにタバコの煙をかがせると、耳の血管が収縮するんだって。つまり、ストレスを感じて、血流オーバー状態になった所を、タバコが鎮めてくれるんだと思ってるけど」
 そう私が言うと、茨は「へえ。まあ、そんな知識がなくても、タバコは嗜好品で有り続けてるわけだからね。まあ、最近は愛煙家も肩身が狭くなってきてるけどね」と、最後はぽつりと空間につぶやきます。

「……けふ。茨、こっちに煙が来るんですけど」と、真理矢が少し涙目で言うと、「あんたが席を替わればいいんじゃないか。ほれ。合法的にかみなの近くに行けるチャンスを作ってやるなんて、あたしは優しい鬼だねえ」と返すので、「じゃあ今までは違法だったんですか!というか、あんたまたケンカ売りたくなってるでしょ!」と、こいつらいつもケンカしてんな。という感じになります。

「じゃあさ、茨は、『脱法ドラッグ』なんてのはどう思う?それと、今は日本は禁止されてるけど、外国の一部では解禁されてる大麻とか」と聞いてみると、「あたしに言わせりゃ、どれも自己責任の範囲内なら別に何やったっていいさ。でもまあ、変な混ぜ物されてて車で人間を轢くとか、そういうのは……ねえ。それこそ、さだまさしの『償い』の世界だね。泣きながら土下座して、それでも許してもらえないのは当たり前。被害者の家族にせっせと毎月仕送りして、それで何年も経って、やっと許される……わけでもないが、家族から返信がもらえる。それぐらいの罪なんだよ、人を殺すってのは。だから、他人に危害を加えないのなら何やっても良い。だが、その反動も考えて使いたければ使えば良いさ、って感じだね」と言って、茨はタバコを吸い終わったのか、側にあるゴミ箱に灰を捨てました。

「ふーん。そういえば私も昔は、市販薬や処方薬のOD(オーバードーズ。薬の決められた量以上を服用すること)したりもしたけど。でも、どっちかというとラリパッパになれるのは、1~2日寝ないで何かしてて、ようやく寝付けたらすっごいサイケデリックな夢見るけどね。その後、吐き気もすごいけど。これって脳内麻薬なのかねえ」と、私は考えながら言いました。

 ま、嗜好品はたしなむ程度に、です。
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コメント

わー……………。となると私は『リーダー的存在』と『ダメダメ人間』のどちらに区分されるんだろう……。多分というか、『十中八九』、後者の方が濃厚ですねー…(^^ゞ…。あとで三人に聞いてみよっと。結果はまたブログのコメント欄に残しますねー♪
(とかいいつつ、ガイド達にすら『ダメ人間』の烙印を押されたら正直ヘコむわ~~~………)
Re: タイトルなし
どうなんでしょうねw
でも、たとえダメ人間でも、それをなんとかしてやろうと付いてきたのがガイドですから。(と、楽観的な見方をしてみる・・・)

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