片付けられない女たち | 魔法石の庭3rd

片付けられない女たち

 応接間から、もう1カ所、部屋の出入り口を作りました。
 建築技術?知識?そんなものはない!

 で、そこから茨の部屋を作ってあげましたよ。
 真理矢は、「僕の時はずっと客室でしたのに……」とぶつぶつ言っていましたが。ごめんね、真理矢。

「えーと、一応空間は作ったけど、家具とかは自分で……」というと、「ああ、上等だよ。注文を付けるとしたら、下はフローリングじゃなくて畳がいいねえ。やっぱり、昔からなじんでるもんだからね」と言われ、床を畳にしてあげました。

 で、茨は自分で山から家具を持ってきて、色々ごそごそやっていたようです。しかし、ちらっと様子を見に行ったら、「ああ、かみな。見てくれよ、この漫画。中盤からが最高に面白くて……」というので、「待て。そのルートは非常に危険だ」と言って漫画を取り上げます。
「ああ、まだ途中までしか読んでないのに!」と言うので、「片付けが先でしょ。何、『部屋の片付けしようとしたら、昔の本が出てきてそれに夢中になって結局終わらない』みたいなルート辿ってんの」と言うと、「別にいいじゃないか。特に期限があるわけでもなし。こういうのはのんびりやればいいんだよ」とへりくつをこねます。

「はあ……まあ、私もずぼらなのはわかるけどね。でも、汚くするのは自分の部屋だけで防いどいてよね。ウォール・イバラで止めといてよね」と言うと、「あたしだって共有のスペースではちゃんとするよ」と言って茨は胸を張ります。

 すると、真理矢がひょこっと顔を出して、「まあ!」とすっとんきょうな声を上げます。

「ああもう、漫画本はちゃんと巻数をそろえて。ちょっと、床の上にゴミを置かない!ああもう、これ、僕が全部整頓していいですか?」と問うと、茨は「お。マジで?いや、あたしもめんどくさいと思ってたんだよ。全部やってくれると嬉しいね」と、思いっきりのんきなことを言います。
「本当に、僕の好きなように家具も置いちゃって良いんですか?」と真理矢が言うので、「好きにしてくれ。あたしは別に気にしないよ」と言って「さて、茶でも貰うかね」と、応接間にやってきます。……ホント、自由だな、あんた……。

 その時、コンコン、と扉がノックされ、サーシャがお茶を運んできました。
「あら?一人足りないわね」というので、「ああ、真理矢は茨の部屋の片付け。真理矢の分のお茶はまた後で良いよ」というと、「現実でもかみなの部屋を片付けて貰えばいいんだけどねえ」と茨が口を出します。
「うるさい。整然とした部屋ってなんか落ち着かないんだよ。ホテルなんかも、あんまり広い部屋だと所在ない感じするし」と一応反論すると、「ああ、わかるような気がするね。要するに、『マーキング』されてないと嫌なわけだ。人間も動物とそう変わらないね」というので、「……言っておくけど、私が一般的な30代の女性じゃないからね?普通の女性はもっと綺麗にしてるからね?」と諭しておきます。

「片付けねえ……私も苦手かな」とサーシャが言います。
「え?サーシャの部屋、綺麗じゃん」というと、「必要な物しか置いてないからよ。……でも、確かに自分の部屋!って感じの『マーキング』はしたい気がするわ。あと、自分の所定位置から腕を伸ばして届く範囲にしか物を置きたくないっていうか」と意外なことを言います。

「うーん。確かに、私もベッドから出ない位置に生活する全てがあって欲しいけど」というと、「ね?それと、物を捨てられないのもあるわね。私はわざと最低限しか物を置かないようにしてあるけど」とサーシャが言います。
 あー……すごくわかる。梱包材のプチプチとか、おまけでもらったジュエリーケースとか捨てられないんだよねえ。

「ふふ、あたしたち、『片付けられない女同盟』でも結ぼうか?」と茨が言うので、「そんなの作ってどう活用するのよ。『正しい部屋の散らかし方』とか?」と聞くと、「『部屋が汚いあるある』とかもいいね。『服は、服塚から季節が変わるごとに下から取っていく』とかね」とか言い出します。やめて、それ私だから。そりゃ、着る前に洗濯はするけど。

「そういえば、あんたの部屋も散らかってないね?やっぱり真理矢が?」と茨が紅茶をずずっと飲み干すと、私は「いや、メローネも片付けてくれる。メローネ、元軍人だから、部屋の管理もぴしっとしてないと嫌みたいでね」と答えます。
「ははーん。あれだろ?あんたの脱ぎ散らかした服も全部畳んでくれるタイプだろ?」と言われ、「まあね。てか、髪の毛も拾ってくれる」と言います。
「……いや、それ、あんた嫌じゃないの?」とサーシャが若干引き気味に言うので、「さすがにその姿見ると、私も反省したけどね」と、カップの紅茶を揺らします。

「ふーん。あたしは別に、誰が何触ろうが平気だけどね。真理矢がこれから片付けてくれるならそれも良いし」と茨が言うので、「初めて見解が分かれたわけだけど。私が思うに、『部屋の汚い人』ってのは、2種類いると見たね。1番目は『ただ単に片付けられない人』。これは茨だね。本当に片付けられないだけだから、部屋を他人に預けちゃっても平気なタイプ。2番目は、『マーキングしている人』。これは、私とサーシャかな?その空間を『自分のもの!』ってしたいから、勝手に片付けられたりすると嫌なタイプかもね」とまとめてみます。

「ふーん。確かに私、部屋は汚くても人に片付けられたり、『片付けろ』と言われたりすると嫌だな。それは、マーキングだからなのね?」とサーシャが納得したように言います。
「もちろん、他にも細部それぞれ違って良いんだけど、私が見てきた場合、大まかに言うとこの2種類に分類される気がするんだよね」と私が一席ぶると、「はは、あたしは確かに、前者だね。今だって、真理矢に全部任せてるし」と茨が愉快そうに笑います。

「い、茨!」と、茨の開いた扉から、真理矢の声がします。
「呼んでるよ」「呼んでるわね」「あんたたち、面白がってるだろ?」と、3人でそんなやりとりをして、茨が仕方なさそうに立ち上がります。
「何だい?あたしは別にどこに何置こうが平気……」「こ、この破廉恥な本はどうするんですか!」「……あ?ああ、エロ本か。いやいや、あたしもまだ現役だからね。で、何が問題なんだ?エロ本なんてのは、布団の下に隠すか、机の上にでもきちんと並べて置いておくのが主流だが」「そんな主流知りませんよ!嫌ああ、触りたくない!これはあなたが片付けてください!」

 ……そんなやりとりをしているので、「……エロ媒体なんて、ネットでいくらでも見れるのにね」「多分、茨のやつ、パソコンの使い方知らないよ。てか、サーシャはそういうの見ちゃだめな年齢でしょ」「失礼な。私はこれでも100は超えてる年齢なんだから、20歳以上の幼女です!」「それにしては中身もお子様……」「あんた、火あぶりにしてやろうか?」と、私とサーシャでのほほんと会話します。
 幼女だけど20歳以上。それって、合法ロリってやつですかね?
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