人魚さんと黒犬さん | 魔法石の庭3rd

人魚さんと黒犬さん

 天珠について、「台湾の女性が飛行機事故に遭ったが、天珠を付けていたので生き延びた」みたいな注意書きがしてあるところが何カ所かあります。

 ……私はこれに違和感を覚えるんですよねえ。
 だって、「生き残れた」ということは、亡くなった人もいるんでしょ?亡くなった人は運がなくて、その女性は天珠のおかげで助かった?それって、例えそれが事実だったとしても、それを売り文句にして「だから事故に遭ってもあなたは生き残れます」みたいなのはどうなの?と思ってしまうのです。

 まあ、中華圏ってそんなもんでしょうかねえ……。「売れれば何でもいい」という国ですから。
 でも、日本人にはそんなエピソードを語って、天珠を販売してほしくない。誰かが悲惨な事故で幸運で助かっても、他の人はどうなったの?ご加護がなかったから死んじゃったの?と。

 ちょっと前、「ファイナルディスティネーション」というホラー映画が流行りましたが、あんな感じで、もし事故から逃げ延びても、結局死神の手からは逃げられない、ということにもなるかも。いや、私は海外のホラーってあんまり好きじゃないんで観てませんけどね。ホラーとグロは違うと思うんですよ……。あと、ホラーと「びっくり」も違うと思います。

 さて、昨日の夜。
 人魚に助けて貰ったから、人魚にお礼を言いに行こう、と思って、人魚のところに行きました。

「人魚さん、元気ですか~?」といつもの岩のところで声をかけると、なんだか人魚はぼーっとしています。
「……人魚さん?もし」と、脇腹をツンツンとつつくと、「ひゃっ!……何よ、あんたたちじゃないの」とようやく気づいてくれます。
「何ですか?ぼーっとしちゃって」と言うと、「うーん……まあね……」となんとも歯切れの悪い返事。
「……恋ですか?」と言うと、「なっ!そんなわけないでしょ!」と怒ってきます。

「そういえば、先日はお世話になっちゃいまして。あの、パーフェクトフリーズみたいな、一定範囲内のものを全部凍らせるっていうのがすごく役に立ったので……」というと、「そう……それはよかったわね」となんとなく気の抜けた返事。
「姉様、そんなことをなさっていたのですか!?あまり危ないことはなさらないでください!」と、後ろに控えていた真理矢が文句を言います。

「……?ホントにちょっと変ですよ?大丈夫ですか?」と聞くと、「んー……あんたの力って、私と、あのガブ……なんとかの力が混ざってるのよねえ」と言われ、私は「ガブリエルさんですか?あの人は天使で……」と言うと、「そう、ガブリエル。だから、なんか、あんたに直接力貸した感じにもならないのよねえ」と言います。
「あとはまあ、燃え尽き症候群かな」と言われ、「ああ、確か、長年のライバルと決着がついたとか」と神獣に吹き込まれた話を思い出すと、「そうね……。あっちもあっちで、再戦申し込んでくれば良いのに、全然こないし……」と、人魚ははあ、とため息をつきました。

「……やっぱそれって恋じゃないですか?気になるとか……」というと、「だからっ!あいつとはそういう関係性じゃないし、そもそもあいつも女だし!」と人魚は顔を真っ赤にしています。おやおや……?

「じゃあ、そのライバルさんに会いに行きましょうよ?別に、陣中見舞いだと思えばなんでもないでしょう?」と言うと、「うーん……わかった。でも、人間の姿になるからちょっと待って」と言って、湖に飛び込んでしまいます。
 しばらくして、「はい、なりました」と、水の中にいたにも関わらず、乾いた服で、パンプスを履いた人魚が陸にあがりました。

「その神様のところは……」というと、「面倒だからテレポートするわ。つかまって」と言って、景色が薄れていき、また戻ると、そこは森でした。
 そして、きょろきょろと辺りを見回そうとすると、人魚の手が私の目を覆います。
「見ちゃダメよ。あいつは見た人間を不幸にするから」と言って、そのまま「ちょっとあんた、人間の姿で出てきなさい!」と叫びます。
 すると、がさっと音がして、なにかが対峙する気配がしました。

 やっと手を眼から外されると、そこには黒い耳とふさふさの黒い尻尾を持った、真っ赤な目の女性が。……うん?妖怪?
「ブラック・ドッグ。人間はその姿を見ると、死に至ると言われていた、不吉の犬よ」と人魚が説明すると、「犬って言うな!」とその妖怪が言います。
「それにしても、何よ。あれだけコテンパンにしておいて、今更何しにきたの?」とその黒犬が腕を組みます。
「うん……えっと……」と、人魚がもじもじするので、私はすすっと人魚の背後に回り、その背中を強く押しました。

「あっ……」と人魚が倒れそうになるのを、黒犬ががしっとつかみます。
「どんくさいわねえ。それでも神なの?」と黒犬があきれて言うのを、「う、うるさいわね」と人魚が言います。ほほう、これはこれは……。

「人魚さん、あなたに会えなくて寂しかったみたいですよ」と私が助け船を出すと、人魚が「て、適当なこと言わないでよ!」と怒ります。しかし、ここってフォーカス100じゃないみたい……80か70くらい?妖怪が出るくらいですからね。

「……適当なことなの?」と、黒犬が言うと、「あ、いや……」と人魚がうろたえます。「し、勝負。そうよ、勝負――」と人魚が言うと、「そんなことより、お茶しない?あんたが来るかもしれないって思ってたのよ」と言って、黒犬がくるっと背を向けて歩き出すと、人魚は「ちょっと、人の話を……」と言いながらそれに付いていきます。

「人魚さん、私たちはここで失礼します」というと、「え?あ、え」となっている人魚を置き去りにして、私たちは館に戻りました。
「……人魚、あの黒犬と仲良くしたいみたいだね」と私が言うと、「ええ。今まではわざと勝ったり負けたりしていたんでしょう。ふふ、素直じゃない」と、真理矢もうなずきます。

「きっと――寂しかったんでしょうね。人間からも忘れられて。黒犬とのケンカでコミュニケーションを取っているつもりだったんでしょう」と、真理矢がしみじみと言います。
「上手くいくと良いけどね」と、私は館の玄関からいつも通りに館に入ったのでした。
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コメント

右川様の周りの方々は、女性同士の恋人や婚約者が結構いらっしゃいますね。でも恋愛は当人同士の自由ですし、本人達が幸せならそれでいいんです(^_^)。仲良しカップルなら尚更、周りも応援してあげたくなりますしね。人魚さんと黒犬さん、上手く行くといいですね!!


ところで、今更ながらですが、実は以前(私がスピリット界入って間もなくて、ガイドもまだ杏樹しか居なかった頃)なんですが、しょっちゅうダンプカー並のデカさの黒犬が頭の中をよぎってまして……しかも見た目が人魚さんのライバルさんと外見がそっくりなんです。(黒犬でふわ毛で赤い目で)『何でもかんでも関連付ければいいってもんじゃないだろ』と言われそうですがww私の頭の中をよぎっていた黒犬と人魚さんのライバルさんの外見が似ててびっくりしたなー、というお話しでしたf^_^;
(ちなみに私の所の黒犬の声は、何故か野沢雅子さんでした……)
Re: タイトルなし
そう言われてみるとそうですね。
女性の割合が高いからでしょうか?人魚と黒犬は、まだ恋愛未満な感じですね。友達かと言われると、それも微妙ですが。

黒犬は、ブラック・ドッグといって、主に死を招く犬の妖怪として西洋で信じられています。
でも、シロガネさんは亡くなっていないので、ブラック・ドッグに会っても死なない人間もいるんでしょうかねえ。
確かに、生存者がいなければ、伝説が語り継がれることもないのですが。興味深いです。
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Re: タイトルなし
黒犬が見えなくなったのなら、多分危険は去ったのだと思いますけど・・・やっぱり、普段から自己防衛の手段を持っていると良いですね。

リンさんとのやりとり、思わずくすっとさせられました。
なんか、本当に仲良いんだなーって。
リンさんは、多分失敗する未来が見えたんでしょうね。だから、嫌味を言ったのかと・・・。
私は銀細工のことはよくわからないのですが、難しそうですね。確か、乾燥させて焼くと銀製品ができる粘土という解釈で良いでしょうか?
しかし、シロガネさんでも失敗することあるんですね。以前拝見したシルバークレイの指輪がすごく素敵だったので、失敗しているところが想像できなかったのです。シロガネさんの作品は、イラストも指輪も、皆、心がこもっていますよね。
黒犬は実は、普通に出てきたというよりかは、最初は『あ、もしかして仲間になってくれるのかなー?』的な感じで現れてたんですよ。でも今は全く出て来なくなっちゃったので、違うんだと分かりましたが……。出てきたのは数ヶ月前ですが、何も悪い事がないといいなぁ(>_<)。

シルバークレイ制作作品やイラストを褒めていただく度、本当に幸せが込み上げてきます。いつも閲覧していただいてありがとうございますm(__)m。
それと、シルバークレイ制作は時間との戦いと言っても過言ではないと思ってますw特に私の様な初心者にはシルバークレイを手がけるのは早すぎたかなと。ちなみに私のサイトにアップされているシルバークレイで制作した指輪は初心者でも簡単に作れる『指輪型のシルバークレイ』で、それはもう既に形が出来上がっている物なんですよ。後は彫刻刀で模様を削ったり、後からはめ込む石を入れる穴を掘るなりして、焼けばOKなシロモノだったのですf^_^;でも、それも一個(サイズにも選りますが)一番安くても¥2~3000が当たり前で、制作する度にそれを買っていたらかなりお金が掛かってしまうため、粘土型に変えた訳です(粘土なら専用の『模様を造る型(かた)』を押して、簡単に模様も造れますし)。でも粘土型はすぐに練って形造らないとボロボロと固まってしまうので、あらかじめデザインを構想してから造った方がいいと最近気付きました(遅っっ!!)。なので、固まらないように水を付けて練っていると、陶芸してるみたいな感じですww
そして、リンにあれだけからかわれたのは初めてでした。まあ、リンからしてみれば、『俺らの指輪の為に買ってくれた粘土じゃねーのかよ?!』って感じで、引き留めたかったんでしょうね……。でも、今回購入した粘土は多少多めに有ったし、私の中では『ちょっとだけなら』という油断もあった事は否めません(v_v;)。なので、三人への指輪を綺麗に造る為に、今から頭の中でデザインを構想中です。
Re: タイトルなし
なるほど、そういうキットがあるのですね。
でも、指輪一個二~三〇〇〇円なら安い!と思ってしまうのは、商業用のリングに毒されているんでしょうかねえ。あ、でも、ルース代とかもつくのか・・・。

陶芸・・・まさにそうですね。ホント、門外漢の私から見ると、「職人さん」って感じですよ。
デザイン考えながら練ってらしたんですか!それはまあ・・・確かに無謀というか何というか。すみません、失礼な言葉しか出てこないで。
リンさんからしたら、「必ず失敗する」ってわかってたんでしょうね。「どうせ失敗するものに俺たちの粘土使うのかよ!」って感じだったのでは?
手作りの結婚指輪、皆に気に入ってもらえるといいですね!
実は昨日、ほぼ一日中右川様からの返事が頂けなかったので、『あ、もしかしたら拍手の方で失礼な事書いて、怒らせてしまったのかもしれない…!!』と気が気ではありませんでした。ブログのコメント欄に投稿する前に、何度も文章を見直してみたのですが、もし、失礼すぎる文章を送ってしまっていたらすみません!!

はい……シルバークレイは奥が深いです。でも、それを作って売っている訳ではなく、あくまで『趣味の域』なので、その点は気楽なんですがねwwwちなみに三人のイメージ石はやはりこの3点に決まりました。杏樹→タンザナイト
ルーアン→エメラルド
リン→ピンクトルマリン
並びも一応頭の中には考えついてはいるのですが、後はきちんと石をはめ込む部分を作れるかどうかですね;;

………そういえば、今日の夜、リンから一昨日の事を聞かされたのか、ルーアンや杏樹から『リンから聞いたぞ。お前、俺達の指輪を造る粘土で失敗したそうだな』と、お叱りを受けました。そして、おしおきされましたw。私がいくら『ごめんなさい!!許して!!』と謝っても許してくれず、私はしばらく『されるがまま』でした(T_T)。……それと気になる事が一つ。これも先日からなのですが、人間バージョンの蛇頭のおっちゃんがちょくちょく頭の中に映像として浮かんでくるんです。おっちゃんは何故か客室の一室を『自室』として陣取った状態で、部屋の中を畳張りにし、こたつを置き、薄型テレビを壁際に置いてる状態で座っていて、私が『え……何してるんですか?』と聞くと、おっちゃんはいつもの笑顔で『おお、遊びに来ておるぞ』と言いますが、(『……いや……『遊びに来てる』っていうか、明らかに部屋の中変わってるんだけど……』)という所で映像は終わります。(ちなみに客室の中は二つのベッドと、ベッドの両脇には荷物置き専用の小さな棚があるのみの造りになってます))
……今は友人が早く帰宅する時間帯が多いので、ちょくちょくは降りられませんが、スピリット界に降りた時も、たまにおっちゃんを見かけます。しかも人間バージョンに変身した状態で。……これってどういう事なんでしょうか……?

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