頭から藁をかけられる | 魔法石の庭3rd

頭から藁をかけられる

 さあて。
 メローネにリーボールの件を話したら、「ふーん……」と聞いていて、「それは、要するに車のスモークガラスじゃないのか?」と言われました。
 なるほど!スモークガラスか!

 ちなみに、車に疎い女性方のために説明しますと、スモークガラスとは、芸能人なんかがよく乗っている、外からは茶色がかかってよく見えないけど、中からは普通のガラス越しのように見えるガラス加工の車用語です。
 要するに、原理はサングラスと同じですね……。
 なんで車の免許の講習を一回だけ受けて実習は全然やらなかった私がそんな用語知ってるのかというと、うちの父が車マニアなんです。

 一応、自分では2台(通勤用と農業用)しか持っていませんが、父は運転上手い人なので、聞くところによるとそういう人って、他人の運転を見ているのが嫌だそうです。
 へたくそに見えてイライラしたりハラハラしたりするので、自分が運転する方がマシだとか。だから、父は滅多に他人の車に乗りません。そして、ガソリン代も請求したことないそうです。

 私が幼少の頃、何故か男の子が好きな車なんかが好きで、特にパトカーが好きだったようです。
「警察の車に乗りたいから将来の夢は警察官」とか言っていました。次に、私は競馬漫画読んで、「馬に乗りたいからジョッキーが夢」とか言い出すんですけど。

 そんなこんなで、私のリーボールが汚い理由がわかったのです。外から視線を通さないためだったんですねえ……。はあ、ちゃんと考えられて作られているんだなあと思います。

 で、一昨日行けなかったナイトメアの厩舎に行きました。
 すると、厩舎の外まで、争っている声が聞こえます。
「レッドラム!いつもチャンネル奪いすぎだぞ!たまにはニュースも見ろ!」「何だよ!テレビのニュースなんか観てたら洗脳されちまわあ!時代はバラエティなんだよ!」と、どうやらチャンネル争いをしているようです。

「二頭とも、声が大きい……」と厩舎に入ったところ、どっちかが蹴り飛ばした藁がわさっと私に降りかかりました。
「あ、ま、マスター」とマーダーが罰が悪そうに言います。「何だよ、俺のせいじゃねーぞ?」と、レッドラムも少し大人しくなります。
「姉様!」と後ろからついてきていた真理矢が、手で私の藁を払いのけます。
「あんたたち……」と、私は拳を握りしめ、「どうでもいいことでケンカすなー!」と叫びました。

「すみません、マスター」とマーダーは素直に謝ったのですが、「そうだ、こいつが悪い!全部こいつが悪い!」とレッドラムはマーダーに全てを押しつけるつもりのようです。

「レッドラム!藁を蹴ったのはあんたでしょ!」と私はきっと睨みます。「み、見てたの?」と言うので、「マーダーがいくら激昂したからといって、藁を蹴るような真似はしない。そんなことするのはあんたぐらいしかいない!」と告げます。
「違う違う!俺はやってないって!」とレッドラムが言いますが、「それよ」「は?」「嘘をついている時は、まず否定や激昂から入る。本当に嘘をついていない時は、まず言われている意味がわからないので、徐々に疑われてることの怒りメーターが上がっていく。だから、あんたは嘘をついている」と私はじろりと睨みます。

「う……だってよお。こいつがあんまり上から目線で説教してくるからよお……」とレッドラムはしゅんとしてしまいます。
「……まあ、チャンネル争いでケンカするのもわかる。私も昔、散々弟とケンカしたからね。だからって物を投げたりしないの。掃除するのはあんたたちのマスターなんだから」と言うと、「はい……」「わ、悪かったよ……」と二頭とも大人しくなります。

「でね。チャンネル争いは、時間を決めて観るチャンネルを決めたらどう?レッドラムだって一日中観たいバラエティがあるわけじゃないでしょ?そうでもない時は、マーダーに譲ってあげてもいいんじゃないかな?」と提案すると、二頭は顔を見合わせ、「……わかったよ」「了解しました」と一応わかってくれたようです。

「姉様、この服はもう洗濯しましょう。髪は……久しぶりにこっち側でお風呂を楽しんでもいいのではないでしょうか?」と真理矢が言うので、「うん、そうする」と言って、私たちは館に戻ります。何のために厩舎に行ったかというと、久しぶりに砂糖あげようとしたのですが、ケンカしたのでお預けです。

「着替えを持って参ります」と真理矢が去ったので、私は裸になって露天(もどき)風呂に入ります。
「はあ……生き返る」というと、左手の薬指がジンジンと熱を持って、久しぶりにアイアが具現化しました。
「ちょっと!私のこと忘れてたでしょ!」といつも通りにぷりぷりと怒っているので、「アイア……あんた、怒ってない時ないの?」と聞いてしまいます。
「あんたが怒らせてるのよ!何よサーシャって!私と若干キャラ被るじゃないの!」とあ、そこ気づいてたんだ?というところで怒ってきます。
「しょうがないじゃない。キャラ被ったって、そういうキャラの存在が被っても。むしろ、全然キャラ被らない方が作為を感じるでしょ?」と岩の上に頭を乗せると、アイアは「はあ……」とため息をついてお風呂に浸かります。

「でも、アイアは一応、私とメローネの娘的な立場な訳じゃん?だから、デレもあるじゃない。サーシャは、まだデレが少ない気がするしねえ」というと、「……この天然タラシ」と苦々しく言ってきます。
「タラシって……別に、故意にタラしてる訳じゃないけど」というと、「だから余計厄介なのよ。色んな所で色んな人の面倒見ちゃってさ。無意識のうちにどんだけタラすつもりよ」と言われます。
「面倒見るのは別にいいでしょ。私はこっちの世界では人間という特別な存在だし、だから助けられる人は助けたいって思うのは仕方ないじゃない?」と言って、私はゆっくりとお湯を首筋にかけます。

「ふん。私だって別に全然人に関わるな、なんて言わないわよ。ただ、あんたは甘いところがあるから、ちょっと注意してやってるだけ」と言って、アイアはお風呂に仰向けに浮かびます。「一応、私はあんたとメローネの結婚指輪なんだからね?あんたとメローネ以外の存在……特にあの金髪娘との仲を認めたわけじゃないんだから」と言うので、私は、「だからあんた、私に辛く当たるわけね?」となんとなく納得しました。

「でも、真理矢の献身っぷりはあんたも認めてるでしょ?」と言うと、アイアは「ふん」と鼻を鳴らして、こっちに背を向けてしまいました。
 そっか……アイアからしたら、真理矢は新参者、勝手に出てきて、勝手にお母さんを奪われた、と感じているのかも。
 でも、一応その献身は認めてきてるみたい……これは、時間が解決するしかなさそうですね。
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コメント

そうか、嘘をついていなくても最初から激昂しながら否定する私は少数派か。
Re: タイトルなし
まあ、統計学ですから、少数派の人もいますよ。
疑われた!ということで最初から怒る人もいると思いますしね。

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