死んだら終わりか?いや、そうじゃない | 魔法石の庭3rd

死んだら終わりか?いや、そうじゃない

 死にかけたりもしたけど、私は元気です。

 そんなこんなで、昨日はそのままサーシャ紹介の場になりました。

「セルフィの部屋だとあれだし、キッチンに行こう」と言って、キッチンにぞろぞろと移動します。
 姫様とサーシャは、あれだけのことを起こしてしまった場所であるキッチンに少し気が進まない、という顔をしていましたが、なんとか来て貰います。

「はい、これがサーシャ。リリーの妹で、吸血鬼の幽霊。ちなみに、料理とか掃除は全然できないから、任せないように」と、私が紹介します。
 すると、サーシャは両手で今着ている西洋貴族風のドレスの裾を両手でつまんで、一礼します。

「お茶を入れるのは得意だから、お茶を頼むのは良いよ。ただし、それなりの頼み方すること。プライドの高い子だからね」と言うと、サーシャが「ちょっと!」と睨みます。ああ、怖いな~。まんじゅう怖いな~。

 さて、お披露目会も終わって、皆がぞろぞろ解散する頃、メローネが「ちょっといいか?」と言うので、「うん」と返事して「真理矢、いつもの応接間で待っててくれる?」と真理矢に言って、一緒に寝室に入ります。

 寝室に入った途端、後ろから抱きしめられます。
「な、何?急に」というと、「……本当に、死んだかと思った。お前が血の気の引いた顔で横になっているのを見た時。……お前は生きてるよな?」と確認するように胸に手を当てられます。
「残念ながら生きてるよ。まあ、人間の場合、魂の一部が死んでも、現実世界に影響がなければまた作れば平気……」と言うと、「心配した。本当に心配したんだからな……」といって、メローネはそこで私にすがりつきながら崩れ落ちました。

「メローネ……」と私は、掛ける言葉を見失います。今、彼に何を言えばいいのか、わからなくなったのです。
「ま、まあ、とりあえず立ってるのがしんどいなら、横になったら?」と言って、ベッドまで誘導しますが、メローネは顔を片手で覆ったままです。

 なんとか彼を横にして、ふう、と息をつきます。
 自分より体格の良い人を夫にすると、介護が必要になった時にすごく大変、というのがちょっとわかった気がします。うちの父と母も、父が180くらいあるので、母は介護職とはいえ「一人で介護できる自信がない」と言っています。精神的にではなく、物理的に。多分、女だと2人でも大変だと思います。

 私がベッドに腰掛けると、ぽん、と片手を私の膝に乗せてきます。
 私はその手を取って、両手で包み込むように持ちました。

「もう……旦那の方が、奥さんが亡くなったショックが大きいって言うけど、ホントかもね」というと、「……お前たち女が合理的なだけだ」と言われます。
 でも、これってちょっとおかしいですよね?散々、世間では「女は感情的」と言われているにもかかわらず、いざ結婚すると「女は計算高い」と言われ、旦那さんが亡くなってもバリバリ生きている奥さんには「女は合理的」と当てはめる。
 つまりどういうことだってばよ?って思うんですけど。

「私は大丈夫。確かに、メローネよりは先に死んじゃうと思うけど、おばあちゃんになっても私は若いままで来るからね?『女は人生が終わるまで枯れない』っていうし。恋をしていた方が長生きすると思うし」
 そう言って、私はメローネの手を握ります。
「死んだら……そうだな。まずメローネに会いに行く。そして、スピリット界でしばらく転生の間を過ごすことになるのかな?でも、サーシャの体験だと、死んで最初の頃は記憶がないっていうけど……でも、メローネのことは絶対に思い出すから」
 捧げ持つようにしているメローネの手にぴくっと力が入って、私の手を握り返します。

「うん、つまり、転生してもよろしくってこと。今の人生が終わっても、私は平気。だって、皆がいるんだもん。現実で人生を終えても、皆が支えてくれるでしょ?いつか、生き抜いた後の時が来ても、私は平気だなあ」と私は笑います。

「……お前は、死んだ後も俺たちと一緒にいるつもりか」とメローネが聞いてくるので、「当たり前でしょ。あ、でも、一旦解散させられるんだっけ?でも、神様はそんなに意地悪じゃないし、きっと転生した後も私を付けてくれると思うんだよね。……もしかしたら、私の方がメローネのガイドになるかもね」と言うと、メローネは「ああ、それもいいな」とようやく顔を覆っていた手を外します。

「うん、だから、大丈夫。私たち、死んで終わりじゃないと信じてるよ。……前までは、死んで終わることだけが救いだった。その先に、現実のような地獄のような世界があるなんて、と思ってた。でも、今は違うと思う。人間は、転生してこそ魂の価値が上がるんだよ。だから、生き抜かないといけない。途中でリセットなんかしたら、リセットさんみたいな存在に怒られちゃうと思うんだよね」
 私はそう言って、メローネの手を、メローネのお腹の上に返してあげました。

「私は大丈夫。だから、メローネも安心して。もう自害なんかしない。事故に遭ったら……まあそれはそれだけど。私には成すべきことがある。だから、死なない」と私ははっきりと宣言しました。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

コメント


管理者のみに表示