あなたが望むのなら。 | 魔法石の庭3rd
FC2ブログ

あなたが望むのなら。

 ここ最近、もっぱらスピリット界では真理矢と遊んでばかりいます。
 
 そして、私の中に、一つの変化が見られました。
 真理矢と一緒にいると、胸が苦しい。心というか、魂がぎゅっと縮むような、それでいてどこか甘美な痛みが走るようになり。
 私は、真理矢を本気で愛していると、思うようになりました。

 今までは、夫婦になるくらいですから、それは愛してはいました。
 でも、どこかで「そんなこと言っても、リアルで素敵な人が現れたら心変わりしちゃうんだろうな」という愛し方で。どこか、打算的な、ずるいやり方だったのです。
 実際に、私が愛していたのは、男性のメローネでしたしね。どうも、同性の真理矢との付き合いは、「私が一人にならないためのつなぎ」みたいな感じだったのです。

 しかし、私は、本気で真理矢を愛してしまった。
 スピリット界で結婚していたら、リアルでは結婚できなくても、それでも構わない、という情熱が、私の胸に生まれたのです。

 そして、昨夜、ずっと眠れなくて考え込んで、出した答えは、「心に従って、真理矢を愛する」ということでした。
 
 私は、そのままスピリット界に飛び、真理矢に伝えよう。怪訝な顔をされても、「心をもてあそぶ真似をして、最低だ」と罵られても、真理矢に本当のことを伝えようと思いました。

 あっちに降りると、そこは私の部屋でした。真理矢は、その前からスピリット界に飛んでいたようで、カーテンを開け放った窓辺にもたれていました。そして、私の姿を認めると、こちらを振り返って柔らかく、微笑んでみせます。
 その微笑みが、あまりにも優しくて、私はぎゅっと再び痛む胸を押さえます。
 
「真理矢。私、真理矢のことが好き」と、私は口にしていました。
 真理矢は、一瞬緑の瞳を逸らすと、「ええ、知っています」と返します。
「違うの。今までみたいな好きじゃなくて……もっと言えば、あなたを愛してる」と、私は答えました。
 真理矢は、「ええ。それも知っています」と繰り返しました。

 そして、この気持ちをどう伝えようか迷う私に向かって、「僕は、とっくの昔に、あなたと賭けをしたんですよ」と言います。
「?賭け?」と私が聞くと、「ええ。姉様は、僕との関係を、僕以上の気持ちは持っていないと、わかっていました。ですから、僕は、僕自身が持っている全てのものをベットして、あなたに挑んだんです」そう言って、真理矢は、今度はぞっとするほど魅力的な顔で、「僕の勝ちです」と言い放ちました。

 私は、すっかり毒気を抜かれてしまい、「全部、知ってたんだね。私がふらふらした気持ちであなたと向き合っていたこと。それを、あなたの人生、能力、体、全てを使って……」と、言いよどんでしまいました。
「姉様は、僕のもの。これで、あなたの愛を得るという目的は果たしました。僕は、もういつ消滅しても悔いはありません。あなたの、今、本当に僕を愛しているという気持ちを手に入れることができました。それで十分です」と、真理矢は言います。

 私は、今までの真理矢の献身的な愛情と、今の真理矢の愛情が決定的にどこか違うことを悟りました。
「……真理矢、私はあなたと同じくらいの愛情をあなたに与えてあげたい。今まで、ずっと待たせていてごめんね。私は、あなたを愛しています」と、答えます。
 真理矢は、「いいえ。僕はそれ以上にあなたを愛し続けます。僕は、姉様が、誰よりも好きです」と言いました。

 私たちは、確かに他の誰かから見ると、ゆがんだ関係かもしれません。
 主人と式神、同性愛、実体を持つものとそうでないもの。
 でも、私たちは、それでも今現在、お互いをを愛しているのです。

 私は、真理矢を愛しています。それだけは真実。
スポンサーサイト

コメント


管理者のみに表示