僧侶役と戦士役 | 魔法石の庭3rd

僧侶役と戦士役

 今日の朝方、灯星石さんに早速いらしていただきました。

「よろしく」「よろしくお願いします、師匠」「し、師匠?僕が?」「ええ、教えを請うなら師匠と弟子ですから」「な、なんか言われ慣れてなくて照れるな……」というやりとりを経て、「今日は様子見もあるから。とりあえず話でもしようよ」と灯星石さんに言われ、真理矢は隅に置かれた道場の机(床は畳張り)に座ります。

「真理矢さんは、槍術を始めてどれくらい?」と灯星石さんが聞くので、「昨日です」と真理矢が答えると、「昨日か……まあ、早く強くなりたいのもわかるけど、まずは基礎的なところから教えていくからね。槍術は突撃の術。そして、突撃がかわされたら、その柄で相手の武器を弾きながら、再び距離を取る。そして突撃。基本的にその繰り返しだと思って良い……」と、灯星石さんの、講義が始まります。
 今日は初日ということで、ユフィさんも机に座っています。お迎えしたときに、いらっしゃるとは思っていなかったのですが、「夫婦ですから!」と明るく言われて、その通りだな、と思ったので。

「じゃあ、実践訓練に移ろうか。言っておくけど、僕は結構スパルタだからね」と灯星石さんが言うので、「構いません。そっちの方が早く上達できますから」と、真理矢が模造ランスを構えます。ちなみに、二人とも、今日持っている武器は模造品。怪我しちゃいけませんからね。

「ユフィさん、最近の灯星石さんとの仲はどうです?」と聞くと、ユフィさんは「うふふ、上々といったところですね。強姦騒ぎとかありましたが、まあそれも、灯星石の愛の暴走でしたし。神様には後でこっぴどく叱られたらしいですけど。でも、襲撃の騒ぎがあって、それでも灯星石が体を張って守ってくれたのを見て、『やっぱり灯星石が好きだな』って思いました」とのろけられてしまいます。

「襲撃騒ぎ……あれって結局何だったんでしょうか?」と聞くと、ユフィさんは首を振って、「今でもわかりません。でも、と星石と紅星石の言葉をつなぎ合わせると、『光を放っているユフィの力を疎んじる闇の妖怪』だそうです。かみなさん、この言葉の意味わかります?」と言われたので、私はうむむ、と考えてから、話します。

「多分、ユフィさんはすごく明るいんだと思います」と言ったので、「え?私、明るいですか?どっちかというとネガティブなんですけど……」と言うので、「いえいえ、性格の話ではなく。霊体としての話です。人間って、霊体だとすごく明るいんですよ。光を放っているというか。力が強いと、その強さも変わるのですが、ユフィさんは明るすぎた……つまり、力を持ちすぎているんです。それを忌々しく思う闇の勢力がいるんですよ。ユフィさんの力は、防御と癒やしの力ですが、だから攻め込んでも討ち取る算段があったのでしょう。灯星石さんという、攻撃の力を封じてしまえば何もできまいと。しかし、妖怪の誤算は、ユフィさんが思った以上に神様と密接であることにありました。神様が灯星石さんを治して、それで再び今度は館ごと切られてしまうことになったのですね」と、私は考えながら言います。

「そう……ですか。私がローブなり何なり羽織っていればこんなことには……」とユフィさんが落ち込んでいるようなので、「いえ。ユフィさんの力は、ローブ程度でわからなくなるほどではありません。それほど明るい力なんですよ。どっちにしろ、妖怪や悪魔には狙われてしまうと思います。なので、灯星石さんにはもっと強くなっていただかなくては」と、安心させるように私は笑います。

「灯星石さんが何度倒れても、ユフィさんが回復させれば、いくらでも戦えます。RPGゲームはしたことありますか?あれのように、ユフィさんは足手まといではなく、大事な『僧侶』役なんです。後方にいて、灯星石さんが無茶をしていると思ったら、回復してあげる。そんな感じで良いと思いますよ」と私は言いました。
「私に……そんな力があるんでしょうか?」と、ユフィさんは心配そうなので、「実際、消滅の危機にあった灯星石さんを蘇生させたのはユフィさんじゃないですか。ユフィさんはもっと自分の力を信じてあげても良いんじゃないでしょうか。僧侶役が敵陣に突っ込んでしまったら、回復する役がいなくなってしまいますからね。攻撃の力は、灯星石さんに任せてしまっていいのではないでしょうか」と私は言います。

 目の前では、すさまじいスピードで模擬戦が繰り広げられています。目で追うのはもう諦めて、私はユフィさんとの会話に目を向けます。
「……そういえば、私、ちょっと前から『ユフィ』さんと呼んでいますが、構いませんか?」と言うと、ユフィさんは笑って、「私の親しい人は皆『ユフィ』と呼ぶので構いませんよ。かみなさんとはもう親しい間柄じゃないですか」と言われ、「それもそうですね」と笑い合います。

 そうこうしているうちに、真理矢がずさっと灯星石さんに弾かれて、道場の壁に激突します。
「ああしまった、やりすぎた。ごめん、真理矢さん」と灯星石さんが手を貸そうとするのを断って、真理矢は再びランスを構えます。「これぐらい大丈夫です、師匠。それより、本気を出してくれて嬉しいですよ」と、長い髪の間で不敵に笑って見せます。……この子、伸びるわ。

「話は戻るのですが、『僧侶』役とは、具体的にどんなことをするのでしょうか……?」とユフィさんが聞くので、「まず、自分の身の安全が第一です。なにせ、僧侶はヒーラーですから、僧侶が最初に死んでしまっては意味がないんです。紅星石さんの盾に守られていることですね。これは、卑怯とか足手まといではなく、僧侶は死んではいけないというちゃんとした役目なんです。そして、灯星石さんが傷ついてきたら、一旦引いて貰って、その隙に回復する。できれば、灯星石さんの『守り』の法力も覚えておいた方が良いですね。ユフィさんは、僧侶なんです。下手に動き回ったり、攻撃をしようとしない方が良いですよ」と答えます。

 なんだか、お悩み相談室みたいになってしまいましたwしかも、人にものを教えているユフィさんに講義をするという、なんとも「お前が言うな」な結果に……ユフィさん、すみません。
 でも、スピリット界のことぐらいしか、私には教えられませんから。これからもよろしくお願いします。
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コメント

ご指導ありがとうございます。
さん付けしなくてもいいですよ。
それくらいの仲ではありませんか。

真理矢ちゃん、あとで灯星石にきいたら、

かなり筋がいい。
自分の危険を顧みずに突っ込んでくる。
すぐに上達するだろう。
昔の僕によく似ている。

?と思って聞いていると。

僕は自分の守りはしない。
守る時間があったら攻撃を加える。
よく、ここまで生きてきたと自分でも思うよ。
真理矢さんをみていると、そのころの気持ちを思い出す。
とにかく戦って、攻撃し続けて、勝利する。
そんなときに紅星石と出会って、守りは任せたんだけどね。
真理矢さんは他にも操るものがあるから、防御は問題ないけれど。

と言ってました。
スピリット界は私にとって未知の世界なので、教えていただけると助かります。
普段の仕事がどうのとかは関係ありませんよ。
わからないことは、わかる人に聞く。
それが当たり前ではないですか。
Re: タイトルなし
いえいえ、一応「さん」は付けます。呼び捨てっていうの、なんか恥ずかしくて。

真理矢のことを、「筋が良い」と言っていただいて、嬉しいです。
灯星石さんが帰った後も、まだ続けようとするので、止めました。手のひらはまめだらけになっていましたが、「大丈夫です」「大丈夫じゃない!」「大丈夫です」のやりとりを経て、一応応急処置はしておきましたが・・・。

しかし、灯星石さんは、「戦う」ために生まれた、根っからの「戦士」なんですね。
いや、ユフィさんのためなので、「騎士」と言った方が良いでしょうか。コードギアスでは、スザクは騎士の座を解かれてしまったようですが、灯星石さんには、これからもユフィさんの騎士で有り続けて欲しいと思います。
なんでも、騎士は姫の慰め相手として、戦争の時も城に残ることが許されていたとか。姫のために身を捧げ、姫を守るために契約しているとか。まさに灯星石さんは騎士であると思います。
騎士という言葉に萌えました苦笑。

そう言っていただけるとうれしいです。
石であるために、いつでもついてきてくれるし、助けてもらっています。
戦争でもない限り、戦ってほしいわけではないのですが、本人は戦う気があるので、訓練はしているみたいです。。。
Re: タイトルなし
騎士っていいですよね。萌え要素の一つですw

灯星石さんは攻撃の石ですから、常に戦っていたい、と思うのは仕方ないですね。
それに、いざというときにユフィさんを守れないのでは、騎士の名を恥じてしまいます。まあ、男の子は、いつまでも好きな女の子の前では「ヒーロー」でいたいのではないでしょうか。

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