2015年03月の記事 (2/4) | 魔法石の庭3rd

2015年03月の記事 (2/4)

合成ルビーも大歓迎よ

 ……やってしまいました。職場に大遅刻。起きたら11時とかもうね……。
 診察も入っていたので、それにも遅刻。うわあああああ!!と思って、10分で支度して、自転車こぎました。

 で、診察の内容ですが、「今の処方で眠れていますか?」「はい(っていうか、寝過ぎて困る……言ったら薬減量されるから言わないけど)」と、何の進展もないやりとりを医師としました。患者としては、優良物件な私。

 それから、職場に行ったら、上司に「診察だったんでしょ?どうせならタイムカード押してから行けば一日扱いになるのに……」と言われました。えへへ、単に寝坊したなんて言えません。
 今日は、色々な人に心配される日でした。帰りにも、自転車こいで、前かごにバッグとスーパーで買った食料品を入れていたら、そこからポテチが落ちて、前から歩いてきたおじ様に拾っていただきました。おじ様、ありがとう!外人が、「日本人は真面目で融通が利かないと聞いていたが、単に英語ができないだけで皆優しい」と言っていたのがわかった気がします。

 それから、ネットを巡回していたら、行きつけ(って言うんだろうか?)のネットショップで可愛い指輪を見つけてしまい、うっかりポチりました。届くのがセミオーダーなので、一ヶ月ほどかかるそうですが。
 買ったのは、シンセティックルビー……要するに合成ルビーですね。それの、二本セットのリングです。
 お値段8000円くらいなので、一ヶ月後はもう何も買えません。買わないったら買わない。……買わないんじゃないかな。ま、ちょっと覚悟はしておけ(私の財布に向かって)。

 私が今、しているリングにも、シンセルビーが使われています。
 でも、思いっきりピンク色なので、正式に言うとシンセピンクサファイア。ルビーというのは、ちゃんと決まりがあって、「血の色のような真っ赤なものだけがルビーという」のです。なので、普通に店頭に並んでいるものでも、ピンクサファイアとか、ヴァイオレットサファイアな場合が多いのです。

 ちなみに、ルビーインゾイサイトなども、大抵はサファイアが入っている石、ということが多いとか。
 ルビーインゾイサイトは、黒っぽいのがルビーとか、ピンク色のがルビーとか言われますが、前記の通り、ルビーは真っ赤なものだけ、なので、そういうのはほとんどサファイアの類いです。
 まあ、効能から言うと、ルビーもピンクサファイアもヴァイオレットサファイアもあまり変わりはないですね。あえて言うなら、なんか自分に厳しいかな?と思うと、サファイアな場合が多い気がします。

 シンセルビーと天然ルビーの見分け方ですが……私ははっきり言ってわかりません。
 宝石の見分け方としては、基本中の基本というぐらいにはっきりとわかる……らしいのですが、私は、「シンセも天然も一緒じゃん」って思います。
 並べてみると、確かに、シンセの方が若干暗い赤の気がしますけど……。うーん、そんな見分け方でいいのか?
 一応、ちゃんとした宝石店で買ったルビーと比較しているのですが、ルーペとかで見ないとわからないのかな?あえて言うと、シンセのものは、色が暗くて、中に気泡みたいなものが入ってる、よう、な。

 ちゃんとしたルビーは、9000円くらいでした。安い方ですよね?
 シンセはシンセでも、10ctというすごい大きさのスタールビーは、1万円くらいしましたねえ。あんまり大きすぎて、扱いに困るのですが。
 こうして、人は金をどぶに捨てていくんですね。でも、実際に身につけてみたり触ったりしないと、石との相性なんてわかりませんから……。

 そうそう、私はルビーに関しては「沼」です。
 何故か、ダイヤとルビーは目に付くと買っちゃうんですよね……。調べてみたら、どちらも獅子座の星座石とか。そういうのもあるのかな?
 どうも、とある友人からの情報で、「ルビーは女性が身につけると、必ず幸せになれるらしい」という噂をまだ引きずってる気がします。
 
 あと、今、エタニティリングが流行っていますが(指をぐるっと囲うデザイン)、エタニティって高いですね。そりゃ、正面だけの一粒で済むよりも、ぐるっと囲う方が石を使うので、当たり前なんですけど。
 そのくせ、エタニティとかラインストーンとかって、石が落ちやすいです。ちゃんと爪が使われていないと特に。読者さんがエタニティ欲しい~と思っているのなら、まず、爪がちゃんと石を一粒一粒留めているタイプかを見極めて買うと良いと思います。

 ここまで書いてきましたが、私としては、ルビーが人工か天然か加熱処理かは割とどうでもいいです。
 要は、ちゃんと「人工ルビー」として表記されていれば良いのです。パワーストーン店だと、その辺曖昧にされていたり、店員も石の効能は知っていても、「これ、ルビーじゃない……」というものを平気で売っていたりします。
 安全な道を行くのなら、パワスト店ではなく宝石店に行きましょう。「安くて、一か八かの賭けの感じを味わいたい」という人はパワスト店にどうぞ。
 何も、パワスト店には偽物ばかりというわけではありません。たまに、本物がお手頃価格で手に入るので、という意味合いです。
 実際、私も大手パワスト店でよく買い物をしますしね。「別に本物にこだわる必要なんてない。本物だったらラッキー」的な、適当なノリで買い物をしています。

 というか、本物でなければ、まだ私自身が本物を持つ資格がない、ということなのです。
 だから、私はシンセだって平気です。……ただ、ダイヤはグレードが低くても、本物を持ちたいですけどね。何故ダイヤだけジルコニアではダメなのかは、私にもわかりません。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ
にほんブログ村

文壇についての努力の仕方

 最近、ようやくというか、三十路も過ぎて、「文筆業に就く」という夢を描き続けて15年くらいになりますが、「ベストセラーになる本の内容と、『文章の上手い・下手』は関係ないんだなあ」と思いかけてきました。

 しかし、最近ではライトノベルの売れ行きが著しく、今までは中村うさぎさん(この方もライトノベル出身)曰く、「中・高生中心の、文壇界では士農工商ライトノベル作家という番付の仕方だった」と読んだ記憶がありますが、現在では大人も子供もライトノベルを普通に読むような時代になってきています。

 その、ライトノベルの、私が学生だった頃に流行っていたのが、いわゆる「王道ファンタジー小説モノ」でした。スレイヤーズとか、オーフェンとかね。
 オーフェンの文章のまとめ方はまだ、ライトノベルとしてはきっちりしている方だったと思いますが(何せ、十何年前のことなので、集めていた書籍もほとんどなくしてしまった)、スレイヤーズの文章を見て、「これぐらいだったら俺・私も書ける!」とラノベ作家を目指し、そして「なんで選考に選ばれないんだ!?スレイヤーズより上手い文章を書いているはずなのに!」と思われた人も多いかと思います。

 でもね、文章が上手い・理路整然としている、というのは、もはや文壇界では飽きられているのです。
 ちょっと文章のまとめ方が上手いからといって、純文学の祖たちに敵う人はそうそういないでしょう。何かを本にする、ということは、今売れている作家だけではなく、昔から読み継がれてきた純文学のそうそうたる面々にも立ち向かわなければならないのです。

 そりゃあ、文章が上手いに越したことはありません。
 でも、それは、「人に思っていることを伝える文章を書くのが上手い」のが、ライターとして望まれる最低限の能力だと思っています。
 どんなにきちんとした文章を書いても、そこから何を伝えたいのか、作品に込めた思いはいかほどか、そしてそれを全て伝えられるのか、というのが作家として求められる能力ではないのかと。

 最近、リアルで、理路整然とした話し方をする人に巡り会いました。
 でも、なんだかその人と話していると、「あれ?」となる自分がいるのです。その小さな違和感は形を持ち、たとえば私が望む望まないにかかわらず、自分の持っている情報をただ引き出してくるだけ。私がいい加減うんざりしていても、それに気づかない……という。
 その人もライターとして文章を世に出したい、という人らしいのですが、私は、果たして彼の文章が受け入れられるのかは疑問だと思います。

 だって、それらは全部、「人から聞いた話」とか「書籍やネットで得た知識」だけで、彼の文章を読むと、確かに論理は破綻していないのですが、『魅力的な文章か』と言われると、うーん……と首をひねるしかありません。
 さらに、彼は、私の社交辞令に対して、ものすごく反応して、それ、もう知ってる……という知識を得意げに話すのです。

 ……ちなみに彼は、妻子持ちですよ。それは彼も最初から言っていますし、だから、恋愛関係になるということは絶対にありません。
 でもねえ……なんか、そうガツガツこられると、逃げたくなるのが人間の性ってやつなんです。正直、「ブログでも何でも良いので、ご自分の発信するだけのシステムを取り入れたらいかがですか?」と何度送信しようとしたか。

 私は、基本的に理系脳ではありません。生物の授業は好きだったので、そっち関係の高校に進学したりはしましたが、これって理系と文系の厚い壁ってやつなのかなあ……と思ったり。
 
 それと、「破綻のない文章が売れるというわけでもない」というのは、もう証明されていますよね?
 破綻のない文章なんてものは、大学のレポートとかで良いんですよ。とある作家の手直しを徹底的編集部でしたところ、「その作家らしさ」というものが全然なくなった、という話もあります。

 私は、文章というのは、コミュニケーションツールの一つであり、こうしてブログとして文章を発信することも、ひいてはコミニュケーションの一つだと思っています。
 幸いにも、読者さんの中では、「あなたのブログが書籍化されたら買いますよ」と嬉しいことをおっしゃってくれる人もいます。たとえブログ本として私の本が出たとしても、その、命を削って働いて得たお金をいただく、なんてことは夢のようです。

 それを考えると、「オーフェン」や「スレイヤーズ」は、余計な情報を全部そぎ落とされた、ある意味美しい文章だと思うのです。
 だって、一ページに改行いくつもされている、なんてこともスレイヤーズでは当たり前でしたが、それでも、私たちはワクワクできた。リナ(スレイヤーズの主人公)たちの冒険譚に、胸をときめかせて新刊を待っていた。
 本当の文才とは、こういうものではないでしょうか。たとえ、読者が中高生だったとしても、その魂に届く文章が、そこにはあった。それで、商業的には十分なのではないでしょうか。

 村上春樹だって、難しいことは書いてありません。本を日常的に読む人間にとっては、むしろ軽いくらいの文章力です。
 でも、売れている。それは、村上春樹の世界が、読者の共感を呼ぶからなのです。
 昔、どこかで聞いたことがあります。
「本当に頭の良い人間というのは、いかに難しいロジックを多くの読者に理解してもらえるほどの弁舌と文章力があるということだ」と。
 つまり、「私は文章が下手だから……」ともじもじしているあなたも、ベストセラー作家になれるチャンスはあるのですよ。

 ちなみに、私は今、田口ランディさんのエッセイを読んでいます。
 田口ランディさんといえば、盗作疑惑(ほとんど黒確定)で文壇を追われた人です。今でも、大きめの書店にしか著書は並んでいません。
 でも、私は彼女の文章が好きです。
 盗作だと言われても、盗作は小説の方だし、エッセイを主に読んでいた私には気にならない程度でした。
 盗作と言えば、私も有名な文筆家やエッセイの表現をお借りすることもあり、「これも盗作にならないかしら」とドキドキします。
 でも、ランディさんのエッセイはまるで噴水の水のようにキラキラと輝いていて、この人が文壇を退いたのは惜しい……もっと彼女のエッセイが読みたかった、と思っています。

 なんだか、愚痴と、私の嫌いな「上から目線」になってしまいましたね。でも、これはあえて記事にします。「発明は99%の努力と、1%のひらめきである」。それは、文筆業にも言えることなのではないでしょうか?
 ……まあ、当のエジソンは、「どんなに努力しても1%のひらめきがなければ意味がないよ」という意味だったらしいですがね。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ
にほんブログ村

フリーマンなわたくし

 はうあ~。なんか、妙にストーリー性のある夢ばかり見て、なんだか頭の中がごっちゃごちゃです。
 しかも、ちゃんと起承転結がしっかりしてやんの。昨日は、金田一少年みたいに、貴族にディナーに誘われたら、そこで次々と殺人が起こる……という夢でした。
 しかも、私が探偵役。なんか、金田一っていうよりはLっぽい感じでした。

 結局、犯人は、錯乱した貴族男性に切りつけられ、そこで死亡。
 私は、その貴族男性を抑えるために、ロッカーを担いで、それを盾にして男性を壁と板挟みにして確保しました。
 そして、謎解きの場面では、「犯人は死んでいます。○○さんです」と言うと、皆がほっと胸をなで下ろしました。犯人の理屈や動機などは……はっきり言って、適当に言いました。でも、皆は「そうだったのか……!」と何故か感心してくれる始末。

 そして、最後に一礼すると、どこからともなく拍手が起こり、その混乱に乗じて、私は助手役の女性とパーティ会場を抜け出しました。
 それから、本当にパーティに誘われていた、友人の男性が自動車で迎えに来ており、私は開口一番に「食事は用意してありますか?ディナーでは殺人騒ぎで結局何も食べられなかったのでお腹はすいています」と言い、その友人は「いいよ。何か作ってあげる」と言って、車に乗り込んで、一件落着、という感じでした。

 これも、龍眼天珠のせいかな?それとも、スピリット界にいるおかげで、神経が研ぎ澄まされてる?

 それと、私信になりますが、ユフィさん、結婚式にサムシングフォーの提供、ありがとうございました。
 今、記事に気づいて読みました(遅い! 本当にありがとうございます!

 で、スピリット界では、メローネと一緒にいました。

 一応、メローネにも真理矢にも、謝ってあります。「ごめんね、好奇心だったんだ」と言ったら、二人とも「……まあ、姉様(お前)はそういう人ですから」と。
 理解のあるガイドと式神で良かったです。

 それと、ここ最近茨と二人きりで話をするコトが多いのですが、別に茨に浮気したいとかそういうんじゃないんですよね。茨は、私にとって友人で、師匠ですから。恋人になったら、また関係性が変わってしまうと思うんですよ。……まあ、茨を恋人にする度胸もないんですけどね。

 友人は、友人である限り、時には恋人よりも重い関係になり得ますし、いわゆる「濃い」関係になると思うのです。
 真理矢なんかも、段々茨に心を開いてきている感じはしますし。まあ、少しずつ、ですね。

 さて、メローネとの会話。
「……最近、髪が邪魔になってきたな。そろそろ暑苦しい日本の夏が来るだろう?……いっそバリカンで刈るか……」と不穏なことを言うので、「待って!そりゃ、髪が邪魔になるってのもわかるけど、私はそのままのメローネが好きだし……そりゃ、メローネが本気なら止める権利もないけど……」というと、メローネはふっと笑って、「冗談だ」と、頭をポンポンしてきます。

 ……あ、嫌なこと思い出した。私が、ある男性(知り合い程度の仲)と「そろそろ髪切ろうと思うんですよね~ショートにするつもりですけど」と言うと、その男性は何故か真顔で「いや、そのままでいてくださいよ。かみなさんは、白いワンピースと黒のロングヘアが似合うんですから!」と力説され、「あー……この人、私のこと本当に考えてはいないな。幻想の中の私を見てる。私は大人しい性格じゃないし、すごくわがままだ。でも、この人はわかってくれないんだろうな……」と、寂しい気持ちになりました。

 メローネは、私が髪を切ろうと、「いいじゃないか。さっぱりして。似合ってる」と言ってくれます。
 てか、髪型変えて「似合うよ」って言う人って、女性が圧倒的に多いんですよねえ。やっぱ、女性の方が、女性に対する「女はロングヘア」って概念がないからかな?って思うんですけど。

 特に、元美容師さんの、お年を召したおば様には、「いいじゃない!似合ってるわ~」と言われました。その人、お年を召しているのに、新しいメイク術なんかも研究されていて、「今風」のメイクをしてくるんですよね。
 なんというか、美容師さんとか、美を追い求める職業の人って、そうなのかなーと思います。

 そんなことを考えていたら、メローネが「お前は自由だからな」と言います。
「え?私、それなりにしがらみもあるし、病気持ちだし、『普通の人間』やるにはしがらみいっぱいあるけど?」と聞くと、「そうじゃない。魂自体がお前は『自由』を求める魂なんだ。だから、『普通の人間』であることができない。それで悩むこともあるだろうが、中年期以降はお前の好きなように生きることができるだろ」と言われます。

 そういえば、私が「私の本質のカードを教えてください」とタロットを切った時に、「愚者」が出ました。
 愚者は、タロットの中でもリーディングが難しいカードで、周りのカードの具合によって解釈の仕方が違うと言われます。
 そのまま、「ちょっと先の崖にも気づかない愚か者」と読むこともありますし、「何もかもから解き放たれて本当の自由を求める」という意味にもなります。
 
 ちなみに、愚者は、唯一タロットカードの中で、「先に進んでいる」カードだそうです。私の持っているスターロットカードによると、水瓶座を表し、やはり自由人を表すそうで。……そういえば、獅子座と水瓶座って、ホロスコープ上では真逆の星座なんですよね。
 ちなみに、ゲイが多いのもこの星座の組み合わせらしいですよ。獅子座は、ヒロイックな反面、甘えん坊でもあるので、面倒な女性関係に飽きて、ゲイになるとか、水瓶座はそもそも規律や社会の目などを気にしないのでセクシャルマイノリティにも寛容なのだそうです。

 私、自由人なのかなあ。そう思わされました。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ
にほんブログ村

人間は人間が裁くもの

 今日も、茨と二人っきりです。
 何故かと言うと……。

「茨~、メローネのこと『真理ちゃん』って呼んで、真理矢のこと『メロりん』って呼んだら2人とも口きいてくれない~」と茨の真っ正面の椅子に座って言います。
「…………いや。さすがのあたしもドン引きしたよそれ。別に、本人の前で言うならともかく、正室と側室の名前入れ替えて呼ぶとかないわー……」と、顔を引きつらせて言います。

「だって実験したかったんだもん。正室と側室、逆に呼んだらどうなるかって。わき上がれ!私の好奇心!」とびし!とポーズを決めて言うと、「……好奇心猫をも殺す、って言葉もあるんだよ。というか、今ほどあんたが理系脳じゃなくて良かったって思ったことはないよ。あんたが理系に進んだら、マッドサイエンティストになれる可能性が大だね」とやっぱり引き気味に言われます。

「というか、あんた、二人の機嫌が悪くなるって知っててやっただろ?」と言われ、「いやあ、それほどでも」「褒めてないよ」と言われます。
「ん~……なんていうか、私、2人と結婚したじゃん?それから、なんとなくお互いのことは深く関わらないって感じになってて。そんなんじゃあ、ストレス溜まるでしょ?だから、私が悪人になって、怒ってくれたら……って思ったんだけど」と、私は手にした飛車の駒を弄びます。ちなみに、私たちが今やっているのは、「王将以外全部飛車と角将棋」です。これ、ロケットランチャーみたいなもので、絶対先攻の方が勝ちます。

 で、二人して適当なことをまた話していたのですが、ちょっと記憶に残っている話を。
「茨って、鬼だよね?鬼って、地獄の鬼とはまた違うの?てか、天国とか地獄って本当にあるの?」と私が聞いてみます。
 茨は「ううむ」とうなって、「天国はあるが、地獄はないよ。地獄ってのは、そもそも宗教的に戒律を破らせないように『人間が作った概念』だからね。だから、犯罪者はちゃんと今世で裁かれないといけないのさ。馬鹿馬鹿しい戒律でいうと、そうだね。仏教の『畜生界』の考え方とか。『現世で罪を犯した者は、人間になれず、動物として生まれる』ってやつだね。そんな馬鹿なことあるわけないだろ?」

 私は、「じゃあ、なんで天国はあるの?」と聞いてみます。
「待ってな。順番に話すから。ええと、天国だね。それは、いわゆる『十分に輪廻転生を繰り返した魂』がようやく入れてもらえる所なんだよ。だから、一回死んだぐらいでそうそう行ける場所じゃない。普通の人間の魂は『幽界』っていって、霊魂だけの状態で、しばらくそこで過ごす。そして、それに飽きたら『そろそろ次の転生に行きたいんですけど……』って自分から名乗り出るんだよ」

 そう言われ、私は「じゃあ、地獄そのものがないんだから、地獄の鬼ってのもいないと……?」と聞きます。
「いや。地獄の鬼は存在する。というか、人間が作った」と言われ、「は?」と私は目を見張ります。
「確かに、何かで管理されている『地獄』ってところはない。けど、殺人や暴行を繰り返して、それで素知らぬ顔で罪を償った・もしくは上手く逃げ切ったと思っている犯罪者には、周りの霊魂から袋だたきに遭って、人間の作った『地獄』に投げ入れられるんだ。そこには鬼がいる。ただし、この鬼も、一般的なの式神の鬼と一緒で、人間が作ったもんだ。そして、鬼たちは時代のニーズによって役職が変わっていくんだよ。たとえば、今は畜生界も消滅しかかってるし、賽の河原なんかはもうない。その代わりに、新しい犯罪について部署を移動させられるんだ。……まあ、サラリーマンと同じだね」
 
 茨はそう言うと、「はい、王手」と駒をぴしゃりと打ちます。「……まあ、先攻が茨になった状態で、普通先攻が勝つわな」と、負け惜しみを言いながら、私は駒を片付け始めます。

「んん?ということは、あの世でも、人を裁くのは人ってこと?」と聞くと、「その通り。人間を裁くのは人間しかいない。神々は、どんな犯罪者でも、救おうと努力するんだよ。でも、人間には『義憤』ってのがあるからね。人を傷つけ・尊厳を奪った人間に対しては厳しいんだよ。まあ、ここのところが、人間が社会動物であるゆえんなんだけどね」と、茨は、私から受け取った将棋の駒をケースにばらばらっとしまいます。

「ふーん。結局人間は、『群れ』でしか生活できないってことね」と言うと、「あれ?あんたはてっきり『犯罪者なんて皆殺しにしろ』って派閥なのかと思ってたよ」と言われ、「……まあ、否定はしないけど。ジャン・バルジャンみたいに、貧しくてパン一つを盗んだ、とかならまだ同情の余地があると思うんだけどねえ。でもまあ、基本的には私は、死刑も賛成だし、右翼寄りの考え方だし、時代のニーズに合わせて変わるなら、地獄もあっていいとは思うね」と答えます。

「ちなみに、今はどんな地獄があるの?」と聞いてみると、「うーん……強姦犯地獄とか」とか言われます。
「え?何それ?」と私が聞くと、「その名の通りさ。強姦事件を起こしたバカが入る地獄だよ。そこで何が起きてるのは……まあ、皆までは言わないけど」と、茨は私の方をちらりと見やります。

「……かみな。あんた、強姦犯をモノによっては一番嫌ってるだろ?でも、それは、現代日本に生きる人間の多くが『強姦犯を隔離しろ』って言ってるんだ。だから、普通の感覚なんだよ」
 茨はそう言って、「さて、適当に答えてきたけど、これで質問は終わりだったね。そろそろメローネと真理矢の所に戻ってやりなよ。ちゃんと謝るんだよ」とのたまうので、「……うん」と私は頷きました。

 そっか……やっぱり、「人間を裁けるのは人間だけ」なんだ……。私が今死んだら「ニート地獄」とかに連れて行かれそうだし、頑張って働き口を探さないとな……。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ
にほんブログ村

陰のガイドと陽のガイド

 本格的に精神の調子が悪くなってきていまして、ずっとムックとか聴いていました。『絶望』とか。
 私が精神の調子を崩すと、まず、よくある「元気を出して♪ほら、お日様も笑ってくれるよ」ってな感じの前向きな歌は、「憎いいいいい!なんだそのキラッキラした笑顔!そんなのいらねーんだよ!私の気持ちがわかるのかよ!私なんてなあ、ストレンジフルーツになりかかったんだぞ!奇妙な果実がぶら~んて……おい!私の話を聞け!」って画面に向かってマジギレしそうになるんです。

 というか、私は、基本的に上から目線の人は好きじゃないです。
 女性って、よく、「愚痴を言うということは、ただ共感して欲しいだけで、その愚痴について現実的な手段をあれこれ示されると怒る」っていうじゃないですか。まあ、私は女の腐ったような女なので、その通りかもしれません。
 職場に、ちょっと苦手な人がいるのですが、その人は「人生論」とかそういうのが大好きなんですよね。うっわ、私の一番苦手なタイプです。でも、職場では、その人の話を「すごいですね~」と拝聴している同僚もいたりで、「え?ウザくないの?私が変なだけ?」と思ってしまいます。

 まあ、同じ人生論でも、茨の人生論なんかはストンと腑に落ちるんですけどね。なんでだろう?やっぱり、友として好意を持っている相手と、そもそも好意すら持てない相手とでは、違うのかもしれませんが。
 
 うーん、スピリチュアル的に言えば、私は「陰」の気が強いのかもしれません。
 ガイドの中にも、陰と陽のガイドというものがあるそうで、メローネなんかは陰ですが、同じ時期にガイドになったスーパーマンは陽です。
 だから、あまり明るすぎる、古き良きアメコミチックなスーパーマンは、いまいち絡む気にならないのかも……ごめん、スーパーマン。多分、私のガイドの中で一番強いのはこのスーパーマンなんでしょうけど。

 他にも、姫様は陽、赤毛は陰。女教皇は陰、セルフィは陽でしょうね。
 一人一人確認を取ったわけではないのでわかりませんが、大体そんな感じかな?と。
 
 式神はわかりませんが、そもそも式神という文化そのものが陰陽道からなるもの、と考えると、やっぱり陰と陽はあるのかもしれません。

 種族からしたら、真理矢も茨も陰の種族ですけどね。龍と鬼ですから。まあ、鬼は底なしに明るいのですが、やっぱり長い年月を生きているだけあって、言葉にも含蓄があります。人生に迷った時、道を示してくれるのは、今のところ茨です。益体のないことを話している時間も長いんですけどね。

 ……というか、普通、ガイドが道を示すんじゃないの?と思うのですが、茨はどうも、ガイドになることを嫌がったらしいです。ガイドは、現実世界に直接関与できないから……だそうで。確かに、茨が付いてからというもの、あんまりに強い式を持ったせいか、ぐったりして寝込んでしまうことが多くなりました。そして、明晰夢や、起きた後もはっきりと覚えている夢を見ることが多くなったり。
 まあ、龍眼天珠を持った頃とも重なるので、そういう時期なのかもしれませんけど。

 しかし、夢の中で私は、色んな目に遭っています。
 最近では、子供を出産している夢を見ました。しかも、医療機械なんかもやたらとリアルで、経産婦でもないのに「はい、おへその所を見てね」とか、詳しく指導されていました。
 確かに、内田春菊の漫画とかは読んでいるので、出産がどういう流れなのかはわかっているつもりですが、あまりにもリアルだったので、起きてから「あ、赤ちゃん大丈夫かな?え?赤ちゃん?」と、ちょっと混乱しました。

 一応、夢占いでは、出産は「新しい環境・新しい門出。希望を表す」といいます。
 ただ、妊娠して不安に思っている状態だと、「未来のことを悩んでいる状態」なのだそうです。

 ちなみに私、夜中に母が産気づいて、病院に急いで向かったのですが、出産を待つベッドの上で、何度も「もう産まれます~!」と叫んで、看護師に「そんなに早くは産まれないわよw」と笑われていたのですが、あんまり母が「私も看護師ですからわかります!産まれます!」とうるさいので診察したところ、「先生呼んで!もう子宮口7cm開いてる!(多分7cmぐらいだと記憶しています)」となって、慌てて分娩台へ。そして、八月の某日、日時が変わる直前に飛び込み出産となったそうです。

 後から考えると、八月某日というのが、私にとって重要だったのかな?と。確かに、その日付では、太陽と月の両方の感性を併せ持つ人間ということで、太陽の大胆さと月の感受性の高さを併せ持つそうです。
 さらに、サビアン占星術で詳しく見たところ、「太陽に輝く朝の露」というサビアンシンボルを持ち、「長い夜を経験したからこそ得られる幸福。中年期以降で能力が発揮される」とか。本当かな?

 ちなみに、過去である月のシンボルを見たところ、「病院の小児病棟がおもちゃでいっぱい」というシンボルが。なるほど……確かに、私は、幼少期もアレルギーとぜんそくといった病気を持っていましたし、毎年インフルエンザにかかって高熱を出し、ポカリスエットですら吐いて、胃液まで吐いていました。
 青年期である今も、精神の病に冒され、何度か生死の境をさまよいました。赤毛と姫様の話によると、「二人でひたすら癒やしのエネルギーを注いでいた。それを、何週間も繰り返した」だそうですが。

 さて、私のおもちゃですが、今はネット環境ですね。これほど楽しいおもちゃはありません。
 両親もそこは理解してくれていて、「ネットに繋がらない~」とか「パソコン壊れた~」とか言うと、すぐ対応してくれます。ありがたいですね。

 そういえば、今日、ようやく「オービタル・ラビット」観ました。
 ニコ動で展開されていた動画の一つなのですが、はっきり言って、「ニコ動ここまで来たか!」という力作でした。東方知らなくても、雰囲気ではわかるんじゃないかな?月で、なにもかも管理されている状態から、ある日、月の天才から「月を脱出して地球へ行く」という途方もない計画に誘われる……という月の兎のストーリーです。
 動画時間が長いのですが、見終わった後、一本の映画を観た気分になりました。これが無料で、しかも素人が作ったストーリーだというのですから驚きです。

 youtubeには挙がっているかどうかわかりませんが、是非、東方を知らない人にも観て欲しい一作ですよ。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ
にほんブログ村

茜さん(鬼)とお話

 昨夜、明晰夢のようなものを見ました。
「ああ、これ夢だな」と自覚はしていましたが、自分から何かアクションを起こすと、目覚めた時にめっちゃ疲れる、というのを学んでいたので、夢のストーリーを崩さずにいました。

 でも、やっぱり明晰夢って疲れます。
 ご飯の後に寝てしまって、携帯でお風呂の前にアラームが鳴るようにして寝たのですが、アラームで起きると、すっごく眠かったので、昨日はお風呂入らないで寝ました。……で、夜中に起きて、下着だけ替えて、歯磨きと顔を洗って、また寝ました。

 さて。スピリット界では、あの戦闘の後、アカネさんを交えてちょっとお話しました。

「いや、一見地味だと思ったが、あんた、なかなか肝が座ってるね。鬼同士のケンカに割って入るなんて」とアカネさんが感心したように言うので、「私は性格も地味ですよ。ただ、あなたたちがちょっとだけやりすぎただけです」と返します。
「そうそう。かみな、アカネの名前の由来だがね……」と茨が言おうとすると、「やめてくれよ!謝るからさあ!」とアカネさんが立ち上がります。
「くくっ。アカネってのは、酒が入るとすぐ顔が赤くなるから、鬼たちの間で『茜』って名前になったんだよ。……まあ、こいつも、顔が赤くなるだけで、そこからは十分飲める範囲だけどな」と茨が楽しそうに言います。……でも確か、お酒で顔が赤くなる人は、アルコールを分解する能力が低いので、飲んではいけないのでは……?と思いましたが、まあ、鬼ですしね。

「あうー。言うなっていったのに……」と、茜さんがちょっと落ち込んでいるので、「まあまあ。お酒がお好きなら、麓にある『アルテミス』っていうバーで飲めますよ」と、さりげなくアルテミスの宣伝をしておきます。
「こうなったら飲むよ!メイドさん、紅茶お代わり!」と茜さんが傍に控えていた真理矢に向かってカップを突き出すと、「……僕はメイドではないのですけど……」と、真理矢は苦い顔をしつつ、紅茶を入れてくれます。

「そういえば、真理矢、見かけなかったよね?なんで?」と聞くと、「いえ、少し野暮用がありまして」とかわされます。「……それって、すごく大事な野暮用?」と聞くと、「そういうわけでは……」と真面目に答えられます。
「まあ、あたしたち式神は、『自律するプログラム』だからね。そりゃ、用の一つや二つあって当然だよ」と、茨は言います。

「そう言や、茨はこのご主人の式神なんだっけね。あれだろ?小間使いみたいなもんだろ?」と茜さんが言うと、「……いいや。かみなはあたしをメイドとも道具とも思っていないよ。そこの真理矢だって、自分からメイドのようなことを始めたわけだしね。じゃあなんで式神なんか飼ってるのかは、未だにわからんね」と、茨がちらりと私を見やります。
「……私は、茨のことはSP兼友人だと思ってるけど?真理矢だって、同じようなものだよ。別に何もしなくたって、そこに居てくれればそれで良い。ただでさえ、私一人の命すら満足に扱えないのに、誰かの命を預かるなんておこがましい」と、私は紅茶の表面を眺めながら言います。

「かーっ!それ、本気で言ってるのか?だとしたら、ご主人はただの馬鹿かものすごい大物かのどっちかだよ」と、茜さんは額をぺしっと叩いて言います。
「……しかし、だとしたらどうして式神を?」と茜さんが問うので、「まあ、成り行きってやつです。くれる、と言ったから貰った、ぐらいの認識ですよ。私はホイホイ物を貰うんです」と私はカップを手に取って言います。

「……なんていうか、こういうやつなんだよ、かみなって人間は。高田純次並みに適当かと思いきや、繊細で、繊細かと思いきや適当な人間だ。あたしにもようわからん」と、茨は言います。
「ふうん……。まあ、本物の鬼を式神に付けるぐらいだ。そのぐらいの人間の方が楽なんだろな」と、茜さんがテーブルに片肘をつけます。
「本物の?鬼に偽物も本物もあるんですか?」と聞くと、「あー、まあ、人工的に作り出す鬼ってのがある。それが偽物ってわけでもないが、普通、式神に使う鬼といったらこれを指すんだ。だからまあ、あんたたちみたいに、元々いる鬼って妖怪を式神化するってのはそもそも無理矢理な方法なんだよ。……あんたに茨を付けたのは誰だ?そんな途方もないことができる神はそうそういないはずだが?」と逆に聞かれてしまいます。

「あの、一応アラハバキ様なんですけど……」と答えると、「アラハバキか。なるほどね……確かに、あのクラスの神だったらできないこともないだろ。あたしたち土着神の頂点だからね」と、茜さんは納得がいったようです。
「な、なんか、ものすごい難しいことなんですか?『つよくてニューゲーム』っていうのが難しいのはわかっていましたけど」というと、「まあね……そこらの神ですら、そのやり方を知ってる奴はそうそういないだろうね。しかし、そうか。茨はもうあんたの式神なんだねえ」と、しみじみと言います。

 茨の方を見ると、「まあね。だが、あたしはあたしでこれで結構楽しいよ。茜、あんたも誰か適当な人間を見繕って、式神にでもなったらどうだい?」と言ってのけるので、茜さんは「いやいや。あたしはまだ独り身をエンジョイしたいもんでね」と断ります。

「さて。茨と話もできたし、久しぶりにケンカもできたしね。あたしはそろそろ帰るよ」と、茜さんが席を立ちます。
「おう。いつでもまた相手になってやるよ」と茨が言うと、茜さんが拳を突き出し、茨はそれに自分の拳をちょん、と合わせます。

「ご主人。茨の世話は任せたよ。それと、会えてよかった。あんたは人間よりも、妖怪や土着の神の類いの方が話が合うはずだ。人間に飽き飽きしたら、いつでもスピリット界に移り住んでおくれよ」と言うので、「いや……私はまだ、現実にいたいですから。でも、ありがとうございます。私もお会いできて良かったです」と答えました。

 なんか、現実での友達はあんまりいないけど、スピリット界での交友関係は結構いるなあ……。まあ、それでもいいのかもしれませんけどね。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ
にほんブログ村

鬼同士の戦闘

 昨日のことですが、茨に来客が知らされました。
 いつも通りの来客係、女教皇が、寝巻き(ネグリジェ)姿のままで、「茨に来客よ」と告げます。
 私たちは顔を見合わせました。館の主である私ではなくて、茨個人に?

 その時、私たちは「語彙の増やし方」について話していたのですが、茨は多少面倒そうに応接間の窓から体を離し、キセルの中のまだくすぶっている火を携帯灰皿に押し込むと、キセルをしまいます。
 ……ゴミ箱にそのまま入れたら、多分ファイヤー!すると思いますしね。

 すると、応接間のドアが開いて、茨にそっくりな……髪型だけは両サイドにシャギー入りのセミロングの、小さな角が二本その頭に出ている女性が入ってきました。
 そして、茨を見つけると、「おー、茨。おっすおっす」と片手を高く上げます。
「おっすおっすじゃないよ。勝手に入ってきて……」と茨は面倒そうに言いますが、一応その掲げられた手のひらを自分の手のひらとパン、と合わせてハイタッチします。

 そして、私の方にぐるんと体を回すと、「……ふーん?」と、何故か疑問系で足先から頭の上まで眺められます。
「あの……私はここの館の主で……」と話すと、「知ってるよ。かみな様だろ?町じゃあ評判だよ。……しかしまあ、地味だね」と言い切られ、ちょっとショックを受けます。
「胸もないし、尻もない。ふーん。顔の彫りも深くないしね。ああ、地味だ地味だ」と、その人は言ってみせます。

「……かみな、こいつはアカネっていって、あたしと同じ鬼だ。……ただ、ちょっとばかりデリカシーに欠けるのが鬼のサガってやつでね。許してやってくれないか?」と茨が私とアカネさんとの間に入ります。

「うう……そりゃあ、鬼みたいにボンキュッボンではないですけど……そんなに地味だって連呼しなくてもいいじゃないですか~」とちょっと落ち込んでみせると、茨が「あいわかった。よし。アカネ、あたしと一勝負しようじゃないか。負けたら、かみなに謝罪するってことでどうだい?」と拳を合わせると、アカネさんが「ふん?じゃあ、あんたが負けたらあたしの靴を磨いて貰おうか。ちゃんとクリームを使って、徹底的にね」と勝負を受けようとします。

「ちょ、ちょっと。あんたたち、鬼なんだから、自分の力ってものをわかってやってるよね?当たり前だけど、館の中で暴れたりしないでよ。もちろん、自然の景観を損なうのも禁止で!」と私が言うと、「わかってる。任せときな」と茨が背中を向けたままでひらひらと手を振ってみせて、アカネさんは「おう。ハンデがあるほど勝負は燃えるからね」と訳のわからないことを言います。

 内心ハラハラしながらついていくと、鬼たちは外に出て、玄関をくぐり、山の頂上付近へとタタタっと駆け上がります。
「ここでいいか。かみな、あんたは審判だからね。ちゃんと見ておいで」と茨が言うので、私は「わ、わかった」と引き受けます。

 次の瞬間、すごい勢いで、茨とアカネさんの拳同士が打ち合います。まるで大岩同士がぶつかり合うような、ガン、という鈍い音が響きました。
 そして、アカネさんが回転しながら足を出して、茨の足を払おうとすると、茨はジャンプでそれを避けて、アカネさんの懐に潜り込み、拳を腹に打ち付けます。

 アカネさんが人形のように吹き飛ばされると、頂上付近の岩にガツン!と当たって、岩がぼっこりとへこみます。
 アカネさんは、しかし、追撃する茨の蹴りを避けると、次は茨に向かって跳び蹴りを放ちます。茨は一瞬前にガードしましたが、それでもガガガッと衝撃を殺せずに後ろに後退します。

 私は、鬼同士のケンカを目の当たりにして、ぽかーんとしてしまいます。
 てか、審判って……私、どうすりゃいいの?
 そう考えていると、「まったく……昼間から何をしているのかしら?」と、背後にセルフィが近寄ってきました。「あーあ。鬼たちは本当に変わっていないわね。ケンカと酒が好きで、それは男女関係ない。こうして、かみなへの守りを私がしなきゃいけないじゃないの」と。

「でも、ケンカって昼間からするもんじゃないの?」と問うと、「ふん。鬼たちは、要するに『バンカラ』なのよ。あなたには死語かしら?不良が夕方頃に殴り合いのケンカをして、それで『お前、やるな』『お前こそ』って友情を深めあうってやつ。あの時代からまったく変わってないのよね。……まあ、鬼なんてものは、バンカラなんて言葉が流行るずっと前……古代の頃からああいうケンカを続けているわけだけど」と、少々あきれている様子です。

「はあ……やっぱあきれちゃいますよね」と私が言うと、「当たり前よ。何かと言えばケンカか酒で。あんたらは横山やすしか、って」と、セルフィも長く生きているせいか、微妙に言葉のチョイスが古いです。
 しかし、再びケンカの舞台に目をやると、アカネさんが「はあ……はあ……相変わらず強いね。だが、これは避けられるかなっ!」と、山の頂上の大岩をなんとぶん投げてみせました。
 茨は大きく旋回して飛び、なんともなかったのですが……ズウ~ン……と、山の下の方から岩が落下した音が響きます。

「……あんたら……」と、私はつかつかとにらみ合う茨とアカネさんを引きはがします。そして、蔦の能力で、彼女らを縛り上げて、空中に浮かせます。
「アカネさん!私、言いましたよね?『景観を損なわないように』って!めちゃくちゃなことしてくれてるじゃないですか!」そして、茨に向かうと、「茨も。大岩を体でへこませたり……あんたらはサイヤ人か!?止め!この決闘は中止!」と両腕をぱぱぱっとクロスしてみせます。

「い、茨……あんたのとこのご主人、めっちゃ怖いんだけど」とアカネさんが笑顔を引きつらせて言います。「ああ。普段は大人しいんだがな。何かあいつの中のルールを破っちまうとああなる。今回は、岩を投げたことだろうな」と、茨も蔦に巻かれながら言います。
「ともかく、二人とも失格だから。別に私に謝ってくれなくてもいいし、靴磨きもしないでいい。それで良いでしょ?散々暴れたんだから」と、その場を取り仕切ると、茨もアカネさんもぶんぶんと首を縦に振ります。

「じゃあ放してあげる」と言って、蔦を体の中に引っ込めると、茨もアカネさんも、気まずそうにしています。
「……お茶を応接間に用意させるから、2人ともお風呂に入って体の汚れを落としなさいよね」
 そう言って、ふいっと2人に背を向けると、私は山を下りて中腹の「嵐が丘」に到着します。
 仙女のように浮いていたセルフィが、「お疲れ様、かみな。ふふ、良い子だったわね」と言って、頭を撫でてきます。
 まったく、鬼たちのケンカときたら。心配するこっちの身にもなってほしいですね。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ
にほんブログ村

生きているロザリオ

 最近、またロザリオを付けています。

 ……で、私がいつも購入するのは、「女子パウロ会」や「ドン・ボスコ」などのいわゆる「教会が運営している通販ショップ」なのですが、ロザリオって本当は首からかけてはいけないので、強度があまりないらしいのです。……でもまあ、私も生粋の日本人ですし、「ファッション的に綺麗」と思ったロザリオはついつい首にかけてしまいます。お祈りをするときは、首に提げたままで珠をたぐって祈ります。

 それで、昨日の夕方、「天使祝詞」を5回ほど唱えたところで疲れてしまい、でも横になっても眠れないので、ふとキリストの受難を黙想しました。
 キリストは、「全ての人類の原罪(神に逆らった罪)と、苦しむ人々への、その人々の中にいる『神』を象徴して磔にされた」……というのが私の見解ですが、合っているでしょうか?聖書も、中学生の頃に校門前でシスターが配っているのを読んで、「なんだこの偉そうな神は?こんなの要らん」と多分、どっかの荷物に紛れたか捨てたかしたと思っているので、あまり真剣に目を通したことがありませんので。

 まあ、それが本物の聖書なのかはわかりませんが。もしかして、新興宗教の類いかもしれませんし。
 確か、聖書というのは、改ざんすると重い罰を受ける、とのことですが、日本のように宗教的にゆるい国では、改ざんしまくりだと聞いた覚えがあります。敬虔なイスラムの人たちですら、日本人の「神様ってのは偉いんだから何食ったって酒飲んだって怒らないだろ」という価値観によって、豚肉を食べたり、豚骨ラーメンが好きだったりするそうです。

 ……まあ、イスラムも、本物の聖典では、「豚は火を通さんとアカンよ」「色々言うけど、その場その場で結果は違ってくるから、柔軟に考えなけりゃアカンよ」という、実に合理主義な教義だったりするそうですが。
 
 で、ロザリオです。
 そんな、キリストの苦難を黙想するに従って、どこかキリスト教に関してかたくなだった私の心が溶け始め、人類の罪と、苦しみを請け負ってくれているイエス様に「ありがたいな」と心から思うようになりました。「なんて心の広い人だろう。普通の人間じゃ、その境地には至れないよな……ありがたいねえ」と。

 すると、知らずのうちに握っていたロザリオの十字架部分……磔刑にされたキリストから、ひんやりとした私の属性である水の気と、どくん、どくん、という鼓動が伝わってきました。
「え!?」と驚いていると、十字架部分がまるで生きているかのように脈を打っています。
 ちなみに、今まで十字架やメダイを握っていても、そこまで感じることはできませんでしたので、「手先の脈によるもの」だとも思えません。……そういえば昔も、一度、メダイが生きている感じにはなったことあるかな?

 それと、ロザリオ自体も、決して高価なものでも、希少品でもありません。
 多分、1~2年くらい前に買った、黒い木製のロザリオです。購入したのは女子パウロ会だったと思いますが、今、在庫があるのはドン・ボスコだったかな?ともあれ、「そこそこ大きな教会に行けば簡単に手に入る程度」のロザリオだったと思います。

 黒い木、というので、「もしかして黒檀?」と思われるかもしれませんが、十字架の一部の染料が剥がれて、下の普通の木材の部分が見えているので、多分よくある木材を染めているものだと思われます。
 黒檀のロザリオも持っていますが、一度ピンの部分が切れて、修理したことがあるので、怖くて付けられません。9000円くらいしましたし……。

 ん?9000円したのは、白檀だったっけかな?何しろ年単位でロザリオ沼にはまっていたので、ちょっと記憶が曖昧です。白檀は、実際はあんまり香りがしないんですね……。
 なんでも、香りがする聖具や仏具は、宗教を超えて全て「良い」というらしく、たとえば仏様なんかは白檀や沈香といった香木を好むと言われていますし、キリスト教でも百合や薔薇などの香りの強い花が捧げられます。
 沈香なんかは、お値段数十~数百万とか。えらい世界です。
 これを持っている人によると、「数珠玉からちょっとずつ削って、火で炙って香りを楽しむ。おかげで、数珠がガタガタしてる」だそうで。

 基本的に、仏教は「自分で悟りを開かない限り、輪廻転生を繰り返して苦しまなければならない」という教義で、この世に生きることは「苦難」だと言います。
 キリスト教の場合、「イエスと唯一神に任せなさい。その愛を疑ってはならない」という、仏教で言えば浄土宗系だと考えればいいかと。

 しかし、キリスト教の中でも、プロテスタントは「偶像崇拝を禁じる」ということで、ロザリオや不思議のメダイはおろか、十字架ですら教会の中に申し訳程度に飾られているだけなのだそうです。
 カトリックはそこら辺寛容で、イエス様もマリア様も、そして列聖の聖人たちですら信仰の対象になります。
 聖具も数多くあり、ロザリオは基本的にマリア様にイエス様……そして神への取り次ぎをしてもらう、という祈りの道具です。

 ロザリオを首にかけてはいけない、というのも、欧米や日本での決まり事であり、南米では普通に首にかけて教会に行く人たちもいるそうです。お祈りの際には外すそうですが。
 また、欧米諸国でも、ドルガバやティファニーなどのブランドがロザリオを出しています。……ということは、ロザリオがファッションになっている、と認知されてきた、ということでしょうか。
 ある悪魔払いの記録のうちにも、「悪魔に憑かれた人にロザリオを首にかけさせたところ、ぴたりと止んだ」という記述が残っているそうですし。「ロザリオ=お守りの一種」という価値観もあっていいような気がしますね。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ
にほんブログ村

真理矢とも初夜・・・

 金曜の仕事は休んだのですが(だるさが取れなくて……久しぶりに仕事したからか?)、火曜日、猛烈なだるさと眠気に襲われて、あまり戦力になっていませんでした。
 同僚にも、「右川さん、顔赤いよ?休んだら?」と言われ、机の上に突っ伏していました。

 で、帰ってから色々調べていたら、「龍眼天珠を付けたら、猛烈にだるい・眠い」という、私の症状にぴったりの体験をしている人がいたり。
 ホントに眠いんです……。家でも、ずっと寝てたり。龍眼と九眼が強すぎるのかな?とは思いましたが、今のところ「外す」という選択肢はありません。
 
 ちなみに、龍眼があまりにも強すぎる場合には、虎牙でお互いを監視させることで持ち主に悪影響をもたらすのを防ぐ、というやり方もあるそうです。
 龍と虎、というのは、チベットでも「強力なライバル関係」にあり、どちらかがどちらかを抑える役目を担うことがあるそうです。

 さて、私はというと、茨の部屋を退出したあと、真理矢の部屋に行きました。

「姉様……お待ちしていました」と、真理矢は照明を落とし、アロマキャンドルでムードを作っています。ここのところ、女の子ですね。
 私がドアの前で逡巡していると、「さあ、こちらに」と、手を引いてベッドへと誘導します。

「あ、あの、真理矢。私は処女じゃなくなっちゃったけど、その……真理矢とは、結婚してから初めての夜だから、その……」と口ごもると、真理矢は「ええ」と微笑みながら次の言葉を待ってくれます。
「その……優しくしてください」と言って、頭を下げると、「……姉様」と、真理矢がずいっとベッドに腰掛けている私のところに身を乗り出します。

「どこでそんなに可愛らしい誘い方を覚えたのですか?ちょっと嫉妬しますね」というので、「いや、これって常識範囲の挨拶じゃないの?」と返します。
「……まあいいです。姉様は今夜は僕のもの」と言って、真理矢がキスしてきます。やっぱり、女の子と男性のキスは違う。女の子は、口内が柔らかい気がします。
 正直、キスは、真理矢の方が気持ちいいです。なので、私も積極的に舌を絡ませたりします。メローネの時はマグロですからね……。

 そして、真理矢は胸を中心に触ってきます。
 時に、乳房だけでなく、乳首を吸ったり。……でも、乳首吸われると、なんだか授乳している気分になるんですよね。

「……なんだか、初めての頃に戻った気がしますね」と真理矢が言うので、「初夜なんだから初めてでしょ」とわざとそっぽを向きました。恥ずかしいのです。

 そして、男根がない代わりに、真理矢の指が下腹部に入ってきます。
「どうですか?痛くないですか?」と真理矢が気に掛けてくれるので、「うん。痛くない。気持ちいい……」と答えます。
 実際、メローネとの性交はお腹が温かい以上の快楽はありませんでしたが、真理矢の場合、女性の快楽のポイントを知り尽くしているせいか、気持ちが良いのです。

 真理矢の長い髪が、癖だけではなく、ベッドにまるでアルテミス女神が侍女を可愛がる(アルテミスはレズビアン説がある)ように、さらさらと広がり、私の体にも触れてきます。
 髪がくすぐったくて、私は身をよじりますが、真理矢はそれが快感だと思っているようで、さらに情熱的に責めてきます。

「姉様、お慕いしています。あなたのことが好きなんです。愛しています」
 そう言って、真理矢は顔を赤らめました。
「姉様のためなら、この命すら惜しくありません。だから、約束して欲しいのです」と言われ、私は熱に浮かされながら「約束……?」と聞き返します。

「ええ。たとえ僕が消滅する間際になったとしても、姉様は取り乱さないでほしいのです。いつもどおりに暮らしてください。僕がいなくなったのもわからないくらい。愛しています、姉様」
 そう言われて、真理矢はちゅっと私のおへそ辺りにキスします。体勢でわかると思いますが、指、入ってます。

「……その約束は、守れそうにないな。私は、真理矢がいなくなったら号泣するよ?織田信成ともタメ張れるぐらい泣くよ?それは譲れない。真理矢、そんなに自分の命を粗末にしないで。私たちは夫婦であり、家族なんだから」
 そう言うと、真理矢は「……そうですか。残念です」とは言うものの、少し嬉しそうでもあり、また、悲しそうでもあります。

「うん、確かに愛は死ぬ。でも、死んだ直後から、愛とは別の感情がわいてくるんだ。それが、『信頼』だったり『生活』だったりする。それで暮らしていけるなら、私と真理矢は一心同体でやっていけるんじゃないかな」
 そう言うと、真理矢は「はあ……」と生返事をします。

 しかし、真理矢が本格的にコトを進めようとすると、私の心は乱れました。
 だいたい、男性であるメローネが、女性である真理矢に快感が敵うはずがないのです。同じ女なら、女の快感の場所は知り尽くしています。
 
 やがて、私が達すると、真理矢は指についた粘着質な液体をじっと見て、ぺろりとなめて見せます。
「ちょっと!真理矢、それはしないで……」と恥ずかしさで顔を覆うと、「美味しいですよ。姉様の体の中で、不味い物はありません」と抱きついてきました。

 今日は、ここで寝て、真理矢と共に朝を迎えるのでしょう。私は、幸福なのです。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ
にほんブログ村

人間嫌いの神様はいません

 無事、メローネとの嬉し恥ずかし初夜も終えて、私はまた茨の所に赴きました。

「なんだ?真理矢の所に行ってやらなくていいのか?」と茨は自分の部屋で存分にタバコをふかしながら言います。
 タバコの煙が霧のように、部屋中に舞っています。……私の家では、祖父が亡くなったので、タバコを吸う人はいなくなったのですが。父も吸いませんし。
 でも、タバコの匂いは結構好きです。今まで、ぜんそく持ち(大人になるにつれて発作が起きなくなったので、小児ぜんそくだったのかな?)だったので、一度もタバコを吸う機会はなかったのですが、じいちゃんが吸っていたので、なんとなくタバコの匂いは祖父の匂いと感じるのかもしれません。

「んー、どうせ、真理矢とはいつでも会えるしね。それより、茨に聞いて貰いたい独り言があってね」と言うと、「ほう?じゃあその独り言をさっさと終わらせて真理矢の所に行くんだね」と茨はふうっと空中に煙を吐き出します。

「結婚って、つまりはどういうものなのかな?私とメローネは、そもそも『結婚までは清い体で』って約束があったんだけど、真理矢とは女同士だから、いわゆる『本番行為』ってのはないでしょ?それに、スピリット界では子供も持てない。じゃあ、結婚って何なんだろう?ただの約束事?って思ったりするんだけど」
 そう言って、一応煙に巻かれないように窓を開けて、そのままサッシに腰掛けます。
 
「そうさね……あんたの独り言に付き合うとしたら、現実の結婚は『契約』だね。『他の男や女には振り向かない、もしくは子供をもうけて育て上げるための契約』だ。だが、ここ……スピリット界での結婚は、それらが破綻している。最初から、そういう契約じゃあないんだよ。じゃあ何か。それは、あたしはこっちの結婚というのは一種の『覚悟』だと思ってる。一緒にいることで相手を幸せにする、幸せになる、その覚悟だ」
 茨は、灰皿にキセルの中身をカンカンと出し終わって、それ以上吸うつもりはないようで、そのまま着物の袖にしまいます。
「それで、本当に幸せになるかどうかは実はどうでもいいんだよ。幸せになるという『覚悟』が大事なんだからね。たとえ、結婚した当初が上手くいかなくても、お互いに『相手を幸せにする、自分も幸せになる』という覚悟さえあれば、きっとそれは真の幸福に導かれると思う。人間は、『私は自分で見た物しか信じない』という人間もいるだろう?だが、空気も、声も、恋心だって目には見えない。でも、その全てが『幸せになる』ためには大事なんだよ」

 私は、「……そうだね。茨はいつも正しいもんね」とそれを受け取ります。
「そういえば、茨の村の人たちは、茨が急にいなくなっちゃって平気なの?ショックだったりしないの?」
 そう聞くと、茨は「はっ」と笑い、「村の人間は、既にあたしの手を離れてる。子供で言えば、巣立った状態なんだよ。もう、あたしがあの村で世話をする必要はない。それよりも、あんたたちの方がよちよち歩きで、親代わりを欲しているとしか思えないもんでね」と言います。
 ……茨、世話好きですしね。それに、後から思えばゆがんだ家庭とゆがんだ自己のまま育った私としては、いまだに社会にうまく溶け込めずにいます。

「……あんたも気づいているだろうが、あたしたち鬼や神獣らは、『忘れられた太古の神々』だ。朝廷に邪魔にされ、人々の記憶からは去り、そして鬼は『妖怪』として認識されている。だが、元はあたしたちも神なんだよ。そりゃ、世話好きで人間が好きでなければ、神なんてつとまらないからね。あんたの友達の……シロガネといったか。あの娘の神も、本当は手を貸したくてハラハラしてるだろうよ。まあ、ツンデレってやつだね」
 そう、茨が言い終わると、私は、「でも、シロガネさんの神様は、シロガネさんが本気で思っていないにも関わらず、つい口をついてしまった『ガイドは要らない』というだけでガイドさんを奪ってしまったんだよ?それが、本当は人が好きだって?」と反論します。

「はっ、いいかい?本当に人間が嫌いで、どうにかして人間の足をひきずり下ろしてやろうとする神が、わざわざシロガネにガイドたちが囚われている姿を見せるかね?人間が嫌いなのなら、そのまま無言でガイドを奪って、消去してやればいい。後は、人間が何を言おうと、放っておけばいいんだ。それを、あの神は律儀に答えていたじゃないか。それは、神が神として機能している証だよ。囚われた姿を見せたのも、シロガネが今後また冗談でも『ガイドは要らない』なんてことを言わせないためだよ。それぐらいはあんたの脳みそでもわかってくれないとね」
 茨にそう言われ、私は「うぐぐ」と黙ってしまいます。

 ……確かに、茨と話していると、簡単に答えが返ってくるので、そのやりとりが面白くて彼女と一緒にいる時間が多いのです。ごちゃごちゃ悩まずに済むしね。

「……茨、式神よりガイド向きなんじゃないの?少なくとも、この館のガイドたちよりはずっとガイドしてるよ」と言うと、「……式神でないとだめなんだ」と、顔を曇らせます。
「ガイドは、あんたがスピリット界にいなければ関われない存在だろう?だが、式神は、現実世界でもスピリット界でもどこでもあんたの行く所に自由に出入りすることができる。……ここまで言えば、あたしが何を言いたいかわかるかな?」と言うので、「うーん……あの、まさか、茨、寂しいとか……?」と言うと、茨はキセルを取り出そうとして、やっぱり止めたようです。

「成人して、独り立ちした子供に、親が何故いつも『金はあるか?米送るか?今度はいつ帰ってくる?』というのか知ってるか?毒親はなんとかして子供を支配下におきたいから、この場合は除くとして、親はいつまで経っても『子供は子供』なんだよ。わけのわからない話をして、どうにか電話やメールを長引かせたいのも、寂しいからだ。マザ-・テレサの言葉を知ってるかい?『食事も、住む部屋も、満たされている施設の老人たちが皆一様に玄関の方を向いている。それは、子供や孫がいつか迎えに来てくれないかと今か今かと待っているせいだ』ってね。親ってそんなもんだよ」
 茨はそう言います。私は、いまだに親のすねかじってるので、少し肩身が狭いです……。でも、うちの父も母も、いつかはボケる。私だってあと50年ほどしたらボケてますよ。そうしたら、やはり父も母も、老人ホームで玄関を見続ける日がくるのでしょうか。

「……ずいぶん引き留めちまったね。真理矢の所にいってやんな」と、茨がしっしと手で追い払う仕草をするので、「真理矢は、夜に会うって決めてる。だから、もう少し、茨の部屋にいてもいいよ」と笑います。
「……ああそうかい」と言った茨の頬は、少し赤らんでいます。「柄にもないことを言っちまった」という証かもしれませんね。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ
にほんブログ村